先日、『別冊ヤングチャンピオン』で連載中の『チカーノKEI』の6巻が発売されたので、早速購入して読んでみました。
このマンガは、日本人のケイがアメリカのレベル5(最高レベル)の刑務所を生き抜くというお話です。
全巻までは、対立する組織との死闘が話のメインでしたが、今度は野球です。
…あの野球です。ベースボールです。
野球は貴重なお金稼ぎの手段
と言っても、先日亡くなられた安部譲二さんの『塀の中の懲りない面々』に描かれていたような、のどかなレクリエーションではありません。
対戦チームに賭けて儲ける、れっきとした所内ビジネスです。
抗争から一年後、ケイはいつもの仲間たちや経験者を集めて『ND』(ノーディール)というチームを結成、練習に励みます。
ただ、チカーノ系のめぼしい戦力は他のチームで活動しているために中々経験者が見つからない。
そんな中、速い球を投げるキューバ人のドミンゴをメンバーに加えながらNDは初の対戦を迎える…のですが…
ケイの立場の変化にも注目!
この巻ではサウスチカーノの中でのケイの立場がリーダー的な要素が増えてきます。
腕っ節が認められるのみならず、仲間の悩みをアドバイスしたり、試合中チームをまとめ上げるなど、徐々に頼れるホーミーとしての一面が描かれて来るようになってきました。
特にドミンゴを仲間に引き入れた辺りはほかのチカーノメンバーではあり得なかったのではないか、と見ています。
ここまで見てきた私から見ると、チカーノは確かに固い結束を誇るグループなのですが、それだけに「敵」と「味方」がキッチリ別れています。
しかも相手は扱いが難しいキューバ人。猛者ぞろいのチカーノもあえて手を出さない。後生のたたりが恐ろしいから。
その辺は元所内のマイノリティであるケイだからこそ、彼の心を掴んで、味方に引き入れられたのだと思います。
ってコレ野球じゃねぇよ!ケンカじゃん!?
プロ野球では少なくなりましたが、昔は乱闘が結構ありました。まぁケガなんかほとんどしませんが…
しかし、所内リーグでは乱闘はノーゲームになってしまう(つまり賭けが成立しなくなる)のでそんなことはしません。
その代わり、「ここまでやるか!」というエグいラフプレーが連発です。
何しろ相手をケガさせればこちらが勝つ可能性が上がるわけですから。
…合理的って言えば、合理的です。
危険球を放る、ランナーがスパイクの刃を向けてベースカバーに入った野手にケリをかますなんてのはホンの序の口で、ランナーが相手の落球を狙ってタックルをかましたり、折れやすい肋骨を狙って一撃かましたり…
…節子、それ違う!野球やない!!
格闘技、いやケンカや!!
相手は選手潰し(?)に定評のある白人チーム。果たして、NDは勝てる、いや生き残れるのか?(リアルタイムで読んでてすごいドキドキしたのであえてこの表現で…)
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