『チカーノKEI』7巻から見えた、医療費負担の罠

マンガ

帰りにコンビニに寄ったら、別冊ヤングチャンピオンに連載中の『チカーノKEI』7巻があったので早速購入しました。

日本人のKEIがアメリカのレベル5(長期刑〜終身刑が収容されている)の刑務所の中でいかに生き残るか、というストーリーです。

ちなみに私、この連載が始まった頃から読んでいまして…

Twitterに感想を書いたところ、KEIさんご本人から投稿をリツイートされて舞い上がってしまったことがあります。

というわけで7巻をネタバレしちゃうと売り上げに関わるので…

この巻で重要人物であろう女性看守「サマンサ」の描写から、カタギの看守が闇落ちしちゃう背景なぞを考えてみたいと思います。

アメリカの看守は内職に励む

90年代のアメリカの刑務所が日本のそれとは違い、囚人の矯正ではなく隔離を目的としていたことは以前の投稿で書いた通りです。

寝起きから箸の上げ下げまで監視されたりすることはありません。

また、日本の刑務官が「先生」と呼ばれ、絶対的な優位を保ち、公務員としての身分保障があるのとも違い、アメリカの看守はかなりの安月給のようです。

そのため、看守は様々な副業に手を出すことになります。

比較的ライトなモノは囚人の欲しいものを取り寄せる仕事。

マンガでも主人公のケイが所属する野球チームにスパイクやグラブを調達する仕事をしている様子が描かれています。

しかし、もっとお金が必要な場合…

もっとヤバいものの取引に関わることもあります。

例えば非合法品、とか囚人の欲望を満たす役を果たすこともあるそうです。

医療費負担に耐えかねて、ヤバい橋を渡る

サマンサの場合は、というと息子の医療費がかなりの負担になっていることが話から読み解けます。

サマンサは白人の割腹のいい中年女性。

息子が一人いますが、彼は入院しています。

入院している息子の面会には、パートナーが描かれていないので、おそらくシングルマザーなのでしょう。

ご存知の方も多いと思いますが、アメリカには国民皆保険がありません。

個人が保険会社と契約し、契約の範囲内での医療を受けられます。

日本のような難病指定に対する保護もない。

つまり低所得者層は難病の治療に対して医療費10割負担を強いられます。

このように、アメリカ合衆国の保険制度では家族の病気治療が即、家計破綻のピンチに直結します。

ちなみにリーマンショックの引き金になったサブプライムローン。

あれも分不相応な家を建てるためというより、家族の医療費の足しに使っていた人もいたそうです。

ともあれ…

愛する息子の命をなんとか守りたい、というサマンサは、ついに踏み越えてはならない一線を超えます。

彼女は刑務所の嫌われ者、BB(ボーダーズブラザーズ、メキシコとアメリカの国境を行き来するギャング)の取引に応じ、ヤバい橋を渡ってしまいます。

考えられるサマンサの「未来予想図」

さて、ここまでサマンサさんを例にとって、フツーの人が転落するアメリカの落とし穴について説明しました。

では、彼女はどうなるのか?

考えられるルートは暗澹たるものしかありません。

副業がバレて逮捕され、ミイラ採りがミイラになり、看守が囚人に落ちます。

彼女はきっと最低何年間は、塀の中の暮らしを余儀なくされるでしょう。

そして息子の治療費は支払われなくなり、息子の治療継続は難しくなる。母親の献身的な努力があればこその治療です。

治癒は運任せになるでしょう。

やっぱり日本はいい国だ!

今回の新型コロナウイルスの話で、アメリカの医療は国民皆保険制度でなかったことが災いして、全容の把握が後手後手に回っています。

また、家族が病気になっても過重な負担で家庭崩壊する確率は、臓器移植などのケースを除けばかなり少ない、と言えます。

私自身、ドナーに意思表示してます。

出来るだけ、臓器が役に立つうちに使うところは使って欲しい、と免許証の裏に書いてあるし、家族にも意思を伝えています。

日本は、この国民皆保険制度を死守すべきだと思います。

アメリカ式の保険制度では、サマンサの悲劇を防げないからです。

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