監獄サバイバルマンガ「チカーノKei」が面白い

読書について

最近、またマンガを何作か読んでいます。

中でも、楽しみな一作は「別冊ヤングチャンピオン」に連載中の

「チカーノKei」です。

主人公のケイは、実在の人物。

覚せい剤をハワイに持ち込みFBIに逮捕され、懲役10年の判決を受けました。

そして彼はアメリカの刑務所に服役します。

ちなみに、アメリカの刑務所は日本のそれとはまったく違います。

スゴイ自由。

所内のスーパーマーケットで買い物もできるし、金さえあれば働かなくても生きていけます。携帯電話で外と簡単に連絡も取れるとか。もう塀がなければ、普通の社会と変わりません。

しかし、彼が収監されているのは、凶悪犯が集まる

レベル5でした。

どんだけヤバイ場所かと言えば

懲役888年とか、一生出獄できないような凶悪犯が収監されている場所です。

そうすると、多少刑期が伸びたところで、全然知ったこっちゃない。

だってもともと一生分刑期喰らってるし…ってわけで年中殺人がある。

例えば、「食堂で相手の目の前にある塩を勝手に取った」とかそんなことで殺し合いに発展する場所です。

月に10人くらいは殺されるとか。

そんな中で囚人は、我が身を守るために団結します。

自由と平等を看板に掲げるアメリカ合衆国でも、刑務所の中は別。

人種、出自でグループを作り、時には血みどろの殺し合いをします。

白人、黒人、アジアン…そんな中でも凶暴かつ鉄の結束で怖れられたのが、メキシコ系アメリカ人の

「チカーノギャング」でした。

一方、ケイは、所内でたった一人の日本人。誰も彼を守る人間はいません。

しかし、ひょんなことからチカーノの連中との縁ができ、その仲間(ホーミー)に迎えられます。彼らと行動を共にすることで、一応、「仲間」という安全保障ができます。

が、仲間ができるということは、同時に自分に関係ない火の粉も飛んでくるということ。

身内がしでかした事件をきっかけに、抗争が勃発…

これが、3巻までのあらすじです。

僕がこのマンガに強く惹かれるのは、これほど過酷でないにしろ

実社会をうっすらと覆っている人間関係と、それを立ち回るために必要なことが極めてシンプルに目の前に展開されるからです。

監獄の中では、弱きものは生き残れません。ゆえに常に自分を鍛え、仲間との協調を図りながら外敵から身を守る。

そのためには一糸乱れぬ統制が取れていなければならず、そこには命をかけて守るべき「鉄の掟」があります。

そして、ひとたび命の危険が降ってくれば、お互いに背中を預けて守りあう。

文字通り命がけの友情です。

それゆえに、でしょうか。

「筋を通すこと」の重要性も監獄は外界の比ではありません。

ケイ本人がインタビューで語ったところでは、

「どっちつかずな立場をとる者は必ず殺される」とのことでした。

筋を外せば、即命の危険にさらされます。ただでさえちょっとしたことからとんでもない目に遭う。

塀に囲まれた空間で暮らす無法者の集団だからこそ、

その中で「筋と掟」には細心の注意が必要なのです。

実に逆説的なのですが、人間のもつ社会性がやっぱり出てくるところが妙に面白いのです。

また、このマンガを読んで感じたことは

「マジメに生活して、こっちの世界はご遠慮しよう」ということでした。

殺し合いより、お互いを認め合って良さを引き出す関係の方がよっぽど建設的だと心底思うからです。

ちなみに現在、ケイさんは稼業からは足を洗って、チカーノファッションの店を経営するかたわら、ボランティア活動にも熱心に取り組んでおられるそうです。

最新の連載(2019年2月5日発売号)では、4巻から始まった最初の抗争がひとまず終結しました。

これまでのペースだとおそらく、次の5巻までがこの抗争に当てられると思います。

この抗争の間、手作り武器の数々が出てきます。手作りのナイフやノコギリ、手斧といったいかにもなヤツから、ソックスにビリヤードの玉を入れたブラックジャック風の武器まで、次から次へと…

もちろん、刑務官側も野放しではなく、かなり厳しい調査も入っている様子です。しかし、どうもこの手の話は管理側にも裏切り行為が絶えない様でいたちごっこが続いている模様です。

【追記】.5巻の話もアップしました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました