最近、田代まさし氏のYouTubeチャンネルを視聴しています。
今の若い方にはピンとこないとは思うのですが、現在41歳の私にとってはおやじギャグ連発して、レギュラーを何本も抱えた人気者。
番組だけでなく、CMや彼の名前をつけたゲームソフトまであったんですよ。
そんな彼がテレビの人気者の時から、どんどん壊れていく過程を見てたから、気になる人の1人なんですよね。
まぁ、ネットの記事だと彼が出てくることを気に食わないという人もいるらしく、エキサイトニュースなんかではかなり辛辣な記事もあるようですが…私は今の田代さん、どんどん情報発信をして欲しいと思ってます。
今回は大丈夫かな、と思う理由
今の田代さんのいいところ、それは自分が薬物依存症であるという自覚があって、使用を止められると軽々しく言わないところだと思うんです。
その上で、やめている状態を1日1日積み上げていくのだ、と言っているところに説得力がある。
そしてそのために依存症回復のための組織に入り、同じような悩みを抱えているひとたちと生活を共にして、職員として働きながら、薬物依存というもののリアルな姿を講演活動を行なっている。
自分を社会復帰させるための仕組みとして、意識的にこういった積み重ねを行なっているわけで、これは評価しなきゃいけないんだと思いますね。
前科と現在は別
もちろん、法律を違反し、逮捕されてしかもそれを3回繰り返した事は否定をするつもりはありません。
しかし、法律的な刑罰は懲役で終わっていますからね。それを必要以上にあげつらうことにどんな意味があるのか。
自分のことを弱さも含めてさらけ出すというのは勇気のいること。
田代さんが出所後、様々な逆風に対しても真摯な姿勢を崩さない姿を見ると、そんな事は無意味どころか、私たちの中に潜む差別意識すら感じることがあるのです。
田代まさしさんの体験を活かす
そんなことより、私が田代さんの話に耳を傾けている理由は、体験者しか知り得ない「薬物依存症の無限ループ」を赤裸々に語っている事なんですよね。
家族とか健康とか、そんなものより薬物が大事になるという怖さ。
逮捕されて刑務所に入っても更生なんか夢のまた夢、それどころか薬物依存症だったり売人だった人間がウヨウヨいるから、中で覚醒剤のネットワークが強化される危険があること。
塀の中で一時的に薬物を断ったとしても一旦脳に刻み込んだ薬物の誘惑は強烈で、どんなに歳月を経てもそこは元に戻らないこと。
たとえ出所して「もう二度とやらない」と決意しても、社会的な孤独や薬物への誘惑などによって再度手を出してしまうリスクが高いこと。
依存症には刑罰とは別に「治療」が必要であること。そして、「今日1日クスリをやらない」ことを積み上げ続ける他はない、ということ。
こればかりは体験者にしか分からない。
さりとて、「体験」なんて進んでできることじゃない。だからこそ、田代さんのように、経験したけど、薬物をやめる決意をして日々戦っている人間を大切にしなきゃいけないのではないか、と思います。
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