神奈川県川崎市登戸で令和元年5月28日に起きた、児童ら19人が殺傷された事件。
誤解のないように、最初に申し上げますが私は…
殺害された方々のご冥福をお祈りしつつ、被害に遭われた方々の心身に受けた傷に対してお見舞い申し上げたい立場です。
また、この事件に心から憤りを感じ、自己の責任から逃げるがごとき自死は、卑怯者の極みだと思っています。
ただ、
当初から、この事件の真相解明は極めて難しいが、類似の事件再発を防ぐために、航空機事故調査のように事態究明をすべきだと考えていました。
作家の佐藤優さんの話が、私の当初考えていたものよりさらに具体的な意見を述べておられました。
命を落とされた方、深く傷ついた方やご遺族の苦しみ、悲しみを無にしないためにも、
ぜひ佐藤さんの方法でやるべきだとの思いを強くしたので、久しぶりに「読むラジオ」として取り上げたいと思います。
註)事件の経緯については、皆さまご存知だと思いますので、ここでは割愛します。
佐藤優さんの主張要約:国会設置の第三者委員会で徹底的に検証せよ
佐藤さんは、この事件について
被疑者死亡のため真相の解明は困難を極めるだろう、とコメントし、
報道やネットの意見で様々な憶測(例えば引きこもり=危険のように)で事件を語る傾向があることに警鐘を鳴らしました。
またこれまで、宅間守事件をはじめとして登戸の事件のような大量殺傷事件は起こってきたことを佐藤さんは指摘。
社会には一定の割合で、こういった事件を引き起こす可能性のある人物がいることを踏まえた上で、
警察の捜査とはまた別の視点で、第三者委員会による「どうして、犯人はこのような犯罪に足を踏み込んだ」のか、その背景究明を国政調査権を発動して国会で行うべき、と主張します。
なぜ警察の捜査では足りないのか?
これは、警察は事件の立件を専門としていて事件をどう予防するかという観点からの調査がしづらいから、と佐藤さんは解説します。
なので、「国民の生命と権利を守る」ことが使命の国会において、しっかり予算をつけて類似の事件とともに徹底的に調査、研究し、
そこから傾向を導き出した上で類似犯罪の芽を摘むための予防策を専門家による検証で探り出すべし、と話しました。
犯罪へのトリガーを抑える
心理学では「心理トリガー」や「メンタルトリガー」という言葉を学ぶそうです。
トリガーとは、英語で「引きがね」の事。
ある環境・作業・言動がキッカケとなり、法則のように人間の心理に決まった効果を与えるそうです。
ええカッコしいで、この言葉を使うなら犯罪もこういった決定的な「トリガー」があるのではと、私は考えています。
人間も事件においても、同じものはないのは当たり前なのですが、どのような気質を持った人物が、どのような環境に置かれ、どのようなキッカケをもって
犯罪へのトリガーを引かれたのかを知り
事件として被害者が出る前に犯行を予防できるか?
医学的な治療が有効か、また社会的なサポートをする事で、芽をつめるものなのか?
そういった研究に全エネルギーを注ぎ込むべきだと思います。
繰り返しますが、今回の事件で多くの人の人生がめちゃくちゃにされました。この犠牲は計り知れないものでありますが…その中から少しでも、教訓を活かさないといけないと、私は思います。
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