徴用工問題が引き起こす影響

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文化放送の「くにまるジャパン極」11月2日は、元外交官の佐藤優さんがコメンテーターでした。

佐藤さんの解説は様々な可能性を探りながら、問題の発展性を勉強するうえで非常に興味深いものがあります。今回は、コメントを文章にまとめてブログにアップしたいと思います。

①『合意は拘束する』

まず、大前提として、1965年の日韓基本条約で徴用工問題は解決済みとして合意されている。従って、これをひっくり返すには、新たな条約を結びなおす以外に方法はなく、一方的に韓国側がひっくり返すこと、すなわち約束をやぶることはできない。明解な国際法違反である。

②『国家と民間の関係』

これまでの民間での問題で使われていた「和解」の根拠は「義務はないけど、人道的観点と会社の誠意として」行われていた。今回、韓国の最高裁はこれを「義務」であると判決を下したため、これまでの和解の理屈は今後、「義務に応じた」と解釈され、収拾がつかなくなってしまう。

だから外務省もこれを決して容認するわけはなく、日本の官民は決して受け入れることはない。

③『国際的なビジネスでのリスクが増大する』

この判決の結果、韓国でビジネスしている企業がこのような案件を抱えてしまった場合、資産の差し押さえも可能になるだろう。

結果日韓の経済的関係が冷え込む。ここまでは、大半の人にも分かるが、佐藤氏はさらに、この影響が第三国、特にアメリカで訴訟されるリスクも示唆している。

④『日本のイメージが第三国で悪化する』

理屈では、100%日本が勝つが、アメリカなどの第三国では慰安婦問題などの時と同様に、在米韓国人ロビーに在米中国人が、さらに背後に中国政府も加わってネガティヴキャンペーンを張る可能性が大。

この際、山と積まれた事実に、反日プロパガンダをたっぷりと混ぜ込み、慰安婦問題と併せて日本を攻撃するキャンペーンが進展する。

「日本は過去を反省していない」「歴史修正主義者である」との誤ったイメージがはびこり、イメージは悪化する。

⑤『アチソンライン、新アチソンラインの復活』

米朝は今、接近を続けているので、在韓米軍がいなくなる。そうすると地政学上では『島国』だった韓国が38度線で北朝鮮とつながり、大陸と地続きになる。

そうすると、韓国は中国、北朝鮮と結びつく。

歴史を紐解いてみると、朝鮮半島単独で日本と戦争したことはない。元寇は高麗と元の連合軍であり、豊臣秀吉の朝鮮出兵も主に日本対明の戦争である。

反日にブレた朝鮮半島と拡大主義の中国大陸が結びつくと、きわめて難しい局面が現れる可能性がある。

これまで対中国で38度線が前線だったのが、一気に対馬まで後退する。これは、1950年のいわゆるアチソンライン(アリューシャン列島~日本列島~沖縄~フィリピン)に台湾も含めた「新アチソンライン」に近いエリアに前線が後退するため、これらのコンセプトにスポットが当たるようになる。

⑥日露の接近で、北方領土問題が進展する

中朝韓の三国対、日本の構図に、米朝の接近なども加わり、日本と関係改善を図れるのは近隣ではロシアだけになる。

ロシア自身も、旧ソ連の共和国との間に微妙な問題を抱えているので、「過去を蒸し返す」ような徴用工問題は他人事ではなく、日本支持に回るだろう。さらに、条約の履行で「ロシアは違う」という意図のもと、来年以降の北方領土問題が進展する。

⑦『非核三原則』の緩和

アメリカのINF離脱に、ロシアは怒っていない。これが対中政策だと理解しているからだ。

問題は中距離弾道ミサイルをどこに置くか。最前線である日本の在日米軍基地に設置される可能性が高い。また、ミサイルだけでは役に立たないので核弾頭を付ける、となると非核三原則を改める、ないし緩和する形でアメリカは日本に迫ってくるだろう。

このミサイルを日本のどこに置いても反発が大きいので、元から中央のいうことを聞かず、与党支持が得られない沖縄に押し付けようとする可能性がある。

⑧先は読めない『徴用工問題』

当然、外交官としては最悪のケースを避けるべく交渉を続けているが、この問題は極度に感情化した世論が韓国政府をも振り回す展開となっており、全く予断を許さない状況である。

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