古谷三敏『寄席芸人伝』にハマる

マンガ

今年初めくらいからコンビニにこんなマンガが並んでいます。

古谷三敏「定本寄席芸人伝」。

何気なく手にとって読んでいるうちになんとも言えない良さがあって、ついハマってしまいました。

僕と落語との出会い

僕は三十代の半ばくらいから、落語を聴くようになりました。今の社長が落語ファンなんで、「どういうものから聞いたらいいんでしょうね?」と尋ねたら

古今亭志ん朝の噺がいいよ!って勧めてくれました。

古今亭志ん朝師匠

〇〇さんは酒飲みだから「酢豆腐」が特にいいんじゃないかな、気持ちが分かって…

と言われて、聞いてみたら…

面白いんですよね、コレが。

それから自分で色々YouTubeとかで試し聞きをしつつ、芝浜、唐茄子屋政談、文七元結…と聞いてきて、自分は「人情噺」というジャンルが好きなんだなぁ、ってことに気づいて、そこをあちこち掘っていきました。

人情噺は、いわゆる人の情愛を描いたものなのですが、親子とか、夫婦とかを描いたものが多いんですよね。コレが年をとるほどに面白くて仕方なくなってきた。

そんな時にこの「寄席芸人伝」を読んだのです。

『寄席芸人伝』とは?

このマンガの主人公は、「芸人」です。

おそらく時代は昭和。

落語の登場人物のような芸人の泣き笑いが、人情噺のように展開されていて読む者を引きつけます。

作画は『BARレモン・ハート』で有名な古谷三敏さん。

脚本協力として参加しているのは、『味いちもんめ』の原作者、故あべ善太さん。

絵、脚本協力の2人とも、心に染みる作風の持ち主で、

面白くないわけがない!

このマンガで書かれている芸人たちは皆架空の人物です。しかし、「誰かモデルでもいるのかな?」と思うくらいに、リアリティがある。

後で調べたら、ほとんど創作のエピソードだと知って驚きました。そうとは思えないほどいろんな角度から「芸人」を優しい目で活写している。

読む方は考えさせられたり、シンミリしたり、ホロリとさせられたり。

まさに「芸人を主人公にした読む落語」が本作なんです。

僕が特に好きなエピソードを1つだけご紹介します。

『バタフライの蝶太』

春風亭蝶太は修行時代にストリップ小屋での落語の席に上がり、そこで売れっ子ストリッパーのデイジーと知り合います。

ひょんなことから、同棲を始めた2人。

最初は「デージーの人気にさわるから」と三歩後ろを歩いていた蝶太でしたが

彼女の後押しと、本人の努力の賜物でメキメキと頭角を現し、人気者になっていきます。

そのうちに2人で歩く時も、デージーが「蝶太の三歩後ろを歩く」形になります。

しかし、デージーは年齢もあってストリップを引退することに。

一方で蝶太の真打昇進が重なり、蝶太の兄弟子から「これからの蝶太のために身を引いてくれ」と土下座までされ、散々悩んだ挙句、デージーは身を引く決意をします。

真打ち披露で『厩火事』を演じた蝶太は、デージーに養ってもらってた本領でヒモの話を見事に演じあげます。

高座を上がってきて、兄弟子の話を聞いた蝶太は激怒。上野駅まで脱兎のごとく飛んでった!!

電車の発車を待ちながら「蝶太は来るかもしれない、でも来ないかも」と後ろ髪を引かれる思いだったデージーを引き留める。

やっぱり来てくれた…嬉し涙にくれながらも「でも、私はお荷物になるかもしれないよ」とデージー。

「長いこと、俺ァおめえにオンブされてきたんだ。今度は俺が背負う番だ!」と蝶太。

…うまく書けてりゃいいけど。

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