先日、ニュースを見ていたら、群馬県前橋市で埋蔵銭が展示されているという話を読みました。
実は、数年前住んでいる近くで埋蔵銭が見つかったのですが、一般公開に気づくのが遅すぎてみる機会を逸していたんです。それで、今回はどうしても見たいなぁと。
もちろん、金がらみにとんと縁のない私ですから、すこしは銭を拝んで金運アップなんぞもはかれないかとも思い、ほぼ思い付きで車を走らせることになったわけです。
私が住んでいる埼玉県からは、国道17号線を北上し、熊谷バイパス、深谷バイパスを経由して上武道路に進路を取ります。
ひたすら突っ走って、前橋市の臨江閣という建物に向かいました。
と言っても…実は行ったことがなくて、ついて建物の敷地に入ろうとしたら、そこは進入禁止で
隣の公園の駐車場に停めて来い、と来た。で、公園の駐車場から、とことこ歩いてくると…
敷地内に小川も流れる広い庭園があり…窓ガラスなんかは昔の表面の凸凹が浮いているような年季もので
なんか、資料館ぽくないな、と思っていたら、この臨江閣…元々皇族方をお迎えするための迎賓館として明治17年に建てられたものでした。
こういう場所で、鎌倉時代?の埋蔵銭を見るんだから、なんか埼玉県じゃあんまりないよなぁと思いつつ、玄関に入ると、靴を脱いで靴箱に納めるように指示が。
床はフェルト敷いてあるのかな、ますます発掘品の展示にはあんまり関係が無さそうだが…どこだ?と思ってきょろきょろしてたら…
はい、ありました。
どうやら、今年の出土品で「こんなん出ました」と発表する場で、その中の目玉が件の埋蔵銭なんです。ただそれだけだと面白くないから、古墳の堀から出土した刀(これが見事にひん曲がってて謎)とかを見学して
最後の最後に埋蔵銭がありました。
近くにいた学芸員さんに詳しく話を聞いたんですが、以下の通り
・誰のモノかは不明。ただこれだけの量が出るというのは相応の実力者のものに間違いない
・上の埋蔵銭の写真の4~6倍くらいが出土した。藁で作られた袋に詰められて、埋められたものらしい。
・藁で作られた紐に97枚の銅銭が繋がった緡(さし)の状態で見つかったものはバラしていないでこのまま保存している。
・展示されている半両銭(前漢時代)は、紐が取れてバラバラになった銭から見つかったもの、同じくバラバラになった中から、南宋時代の銭も混ざっているため、現段階では鎌倉時代のものではないか?と推測している。
とのこと。それで、「なんで97枚なんですか?」と聞いたら、両替の際の手数料があらかじめ引かれているとのことで
コレをTwitterで書いたら、「江戸期は96枚つづりなんだよ~」というお話も飛び出した。
今回のは主に輸入した中国銭なんで、流通量そのものも江戸期とは比べ物にならないレベル。
一方で江戸期だと、自前で寛永通宝を発行するくらいだし、それなりに銭が流通している時代なんで
銭の価値が ”鎌倉期>江戸期” だったんではと想像しました。そうすると、手数料が一枚くらい増えるってこともありうる話だよなぁ…と。
ただ、この話をしていた時はもうとっくに臨江閣を出ていたので、学芸員さんにぶつけることができませんでした。
ただ、知り合いの伝手をたどれば、もしかしたら意見を聞けそうな相手がいるので、今度聞いてみようかなと思います。
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