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ふと思い出した「社会人一年目の頃の新聞はこう作ってた」って話

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Xで雑談を楽しんでいたら、大昔上司から聞いた話を思い出した。

上司が目撃したのは「総会屋が会社に売りつける新聞」を作っているところで、読売とか朝日、毎日なんかを買って来て

かってに記事を丸パクリするというものだった。

…それで、当時どういう風に新聞を作ってたかをさらに思い出したんで、私が社会人一年目のころの新聞制作の現場を思い出しながらツラツラ書いていこうと思う。

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私が入った会社はフリーペーパーを作っていた

私がこの業界に入ったのは2001年だから、もう25年前になる。

当時勤めていたのは、埼玉県の一部エリアに配布されるフリーペーパーだった。

読売新聞の地域読者に、たまには読まれる方に回って頂こう、という趣旨のもと「読者サービス」で無料配布していた新聞。

この手のフリーペーパーは、特にフォーマットがなく販売店さんが自分の店でワープロ打ちのチラシの要領で手作りするものから

私のいた会社みたいに、新聞の体裁をしっかりとった本格的なものまで様々だった。

ページこそ、4~8ページくらいの少ないものだが、今思い出しても結構本格的だったと思う。

当時は、アナログからデジタルへの移行期

で、当時の原稿なんだけど、1行12文字、5行の原稿用紙を渡された。サイズはちょうど、市販のA4原稿用紙を横に半分にしたくらいのサイズ。

そこにせっせとマス目を埋めていくわけだ。

わたしなんかはワープロソフトを使って、チャカチャカと原稿を書いていたのだが、

当時はテキストデータを印刷部門と共有する手段がなかったので

印字したものを印刷部門に私、また打ち込んでもらうという「二度手間」をしていた。写真も紙焼きしたものをデジタルに取り込んでいた。

私がいた会社は紙面をレイアウトして、印刷する機器を持っていなかったので、埼玉新聞にその辺を外注してもらい、

記事を書く、レイアウトする、間違い直しをするといった部分を自社で担当していた。

まず原稿を埼玉新聞に入稿すると、ワープロみたいなものでまず原稿そのものが印字されて突っ返される。ここで「校正」という間違い直しや尺の調整などを行い

紙面のレイアウト(設計図みたいなのをテキストや見出しを添えて出す)に応じて「ゲラ」を作ってもらう。

新聞のざら紙ではなく、A2サイズの紙に原寸大で刷り出したもので、ここで、指定の見出しや写真になっているか、レイアウトに狂いがないか、なにより間違いがないかをもう一度確認する。

そしてもう間違いがない、となるとツルツルの紙(プラスチックだったかも)に刷り出した。

こうすると、版を起こすときににじみが少ないとのこと。このツルツルの紙を厚手のボール紙に貼りつけて、版の原型が出来上がる。

カメラの親方みたいなでっかいのでフィルム撮影

原型が出来上がると、トタンという金属の板に焼き付けて、輪転機にセットする版を作る。

最初の頃は、ジャバラ式のカメラの親方みたいな、すごいでっかいヤツでパシャっと撮影してネガフィルムを作る。

白いところは黒くなり、文字や写真は逆転している状態となる。

ここで、ごみやほこりなどをチェックし、塗料で穴を埋めたりして微調整。

また、カメラであるから、中央に行くほどつまり、外に行くほどちょっと伸びるゆがみが生じる。

これはどんなに大きくしても、ほんの小さな誤差となって、カラー面の刷り出しに影響が出てしまう(これは刷り出さないと分からなかったので、印刷機を回している間に直しの版を作ったこともある)。

で、ネガフィルムができると、金属板に焼き付けて薬液に付け、文字や写真などの部分を残して、後は微妙にへこませる。

残った部分にインクが付いて、それを刷り出す形になるわけだ。

ちなみに、この段階で記事は紙面に印刷されているのと同じ形になっている(だからここでチェックして、間違いを見つけて版を作り直したこともある)

輪転機に版をセットして、新聞紙に印刷

この辺からは現在でも変わらない工程になる。

輪転機という、高速大量に印刷できる機械に版をセットする。

輪転機

昔の刑事ドラマで動いている、これが「輪転機」

さっき「版は紙面に印刷されているのと同じになっている」と話した。そのままインクを付けて紙にペタッ押し付けると、鏡に映したように紙面が裏返ってしまう。

そこで、輪転機はどうするかというと、インクが付いた版からゴムローラーに転写して「一回裏返して」

ゴムローラーから紙に再転写して裏返ったのをもう一度「ひっくり返す」。これで元に戻って、紙に印字される。

ちなみにカラーはイエロー、マゼンダ、シアン、黒の4版をつぶつぶで濃さを調整して色を組み合わせる。

さっき、版をカメラで撮影すると、ちょっとゆがみが出る、って話をした。

ここで、版がズレるんです。フツーはそこまで頓着しないが、当時の社長は「ウチの新聞はキレイな新聞だ」というプライドをやたら持ってたんで、

我々は輪転機の前でスタンバイして、刷り出した後の色がおかしくないか、チェックしていた。

印刷の人たちは微妙に版をずらしたり、インクの量をしぼったりして調整し

それでもうまく行かないと、版を作り直して…ということをやっていた。

それで、なんとかOKとなると、見本紙をもらってきて、スポンサー(広告主)などに配る。

一方で、新聞社で印刷を続けているのは、随時新聞販売店に送付され、2日後の朝刊にチラシと一緒に挟まれるのだった。

今考えると、ずいぶんノンビリとして紙面づくりをしていたものだと思うが、

ここから、原稿データをデジタル入稿したり、製版はデータから直接行うなど、どんどん改良されてきた。

大手紙だと、もっと制作は洗練されていたと思う、印刷を委託していた埼玉新聞がシステムに改編を加えるたびに、我々の作業もアップデートされてきたのだ。

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