今朝、朝ごはんを作ろうとしたのだが、なんかやる気が湧いてこない。
買い置きのインスタントラーメンでも作るか…と思ったが、ふと、オートパーラー上尾って今、どうなってるかの確認に行こうと思い立った。
このブログでも、5年前に一回足を運んで、昭和のオートパーラーの雰囲気をそのまま閉じ込めたようなレトロな感じを楽しんだのだが
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埼玉のオートパーラーの界隈も大分、時代の波に流されて閉店の知らせが続いている。
もともと、この「オートパーラー」なる施設は、ロードサイドで深夜早朝の時間帯に休憩がとれるように、ハンバーガーやうどんなんかの軽食自販機を置いた
24時間営業の店として発展した業態。
それが、コンビニエンスストアや飲食の24時間営業の店舗が増え、そのうえ自動販売機のメンテナンスもままならない事から、
1990年前後から、その数を急速に減らしていった。
そんな中でも、まぁしぶとく頑張っていたのが、鉄剣タロー、オートパーラーまんぷく、オートパーラー上尾だったわけだが…
前回の記事を書いた2020年には、国道17号バイパスに接した「鉄剣タロー」が閉店し、現在は敷地内に同名の食堂が建っているし
2023年7月には、久喜市南栗橋にあった「オートパーラーまんぷく」も閉店。
埼玉県はいよいよオートパーラー黄色信号が点滅に入っているという有様である。
そばを通るたびに「まだ持ちこたえている」「やってるな」とチラ見してばかりで、ちっとも売り上げに貢献してなかったんで、
今朝出かけてみた、というわけである。
この店も、業態としてはゲームセンターであり、この時間だとゲーム機は、通信制の麻雀ゲームがかろうじて稼働している感じ。
私よりもちょっと年上の人が、早起きしすぎて暇を持て余していたのか、麻雀をやっているほかは、
若いアンちゃんが何人かでこの食堂コーナーでだべっていたくらいである。
まぁ、この時朝の7時過ぎで、お楽しみがいっぱいの土曜朝にココに来る、というのは
私を含めて「どこか頭のネジが外れている」変わり者くらいしかいないわけではあるのだが…
そんなわけで、まずは天ぷらそば。5年前より100円値上げして、350円になってはいるものの
ここは「やっていること」に価値があるのである。
そして、メニューが出るまでニキシー管のカウンターを眺めることに100円払っているようなもんなんで、あまり割高感はない。
で、いつものように割り箸と七味の袋を隣のポケットから取り出し、
ぺらっぺらの丼に入った天ぷらそばのご登場!
この天ぷらそば、うどんの類は、オーナーが麺、トッピング、ツユ(底の方に入れる)が一式収まっている形で準備して、販売機にセットする仕組みになっている。
販売機は、その丼を湯煎にかけ、お湯の半分ぐらいを遠心力でぶっ飛ばし、そこにアツアツのお湯を再度注いで出してくる…といった仕様になっている。
な、もんで…写真のように、出来上がりをかき混ぜずに食べ始めると、味がえらくうすいと感じ
下にすごーく濃い汁の層にぶち当たって、初めて「あ、先に混ぜるのか?」と後悔することになる。
で、あるからよーく混ぜる。ふやけた天ぷらがバラバラになってしまうが
汁ごと飲めばいいので、ここでは特に問題はない。
このうどん、そばの自動販売機は、さっき上げた3店舗すべてにあったもので、ここ数年は値上げをするか、しないかでふたつに分かれた。
今の具材を維持して、値上げに踏み切るか。
値上げをしないで、具材を工夫して乗り切るか…なんである。
上尾は前者を取ったわけだが、正直売る側からしたら350円でも手間を考えたら安すぎといったところ。
私は5年前と同じ天ぷらそばを食べてみたけれど、わかめやウズラの卵のゆでたまごなど、
食べた人が少しは満足して欲しいという努力は買っている。麺がのびのびなのは、立ち食いそばでもそうなんだから、ここで文句を言うのは、お門違いというものであろう。
さて、続いてはもう一つ。トーストサンドである。
こちらも、コンビーフにチーズハムの2種類が各280円で販売。コンビーフを選ぶと、アルミホイルに包まれたトーストサンドが出てくる。
本体部分を持つとすごく熱いので、端っこの部分をもって取り出す。
ホイルを通して焼くのではなく、焼いた食パンに具を挟んでホイルに包んだものを温めなおす仕様。
旨い、まずいで言えば、ビックリするほど美味しくはない。
ただ、現在47歳の私が子どもの頃は、国道17号をひたすら下ってく途中で、本庄にあるドライブインで休憩。
コレを食べて群馬県の祖父の家に行くのが、年に2度ほどあるビッグイベントだったので、
「思い出補正こみの味」をかみしめていると言っていい。
懐かしいなぁ。
食べ終わって、自販機をチェックすると、まだ動きそうだが売り物が入っていなかったり、
もう動かないのか小銭を投入する場所がガムテープで封印されているものがあったりと
いよいよ、ここも厳しくなってきたかなぁ、という印象が見て取れる。
もうちょっと売り上げに貢献しようと思って、飲み物を買うことにした。
ドクターペッパーの350ミリ缶。
これも、最近、中々入手がしにくくなっているなぁ。
これも、甘酸っぱい、ドクペのメチャクチャ懐かしい味がした。
というわけで、オートパーラー上尾の2025年2月現在の様子をレポートしたわけだが
ここの寿命は一にも二にも、「自販機の寿命」「オーナーの意思」にかかってくる。
どちらかが尽きた時、この店もひっそりとその姿を消すんだと思う。
子どもの頃の思い出が消えるようで寂しいが、祖父母の世代だけでなく
親戚のおじさん、おばさんたちが少しずつ旅立っていくのを見届けるようになってきた私の世代にとっては
昔あったものがなくなる寂しさというか、切なさというものは
生きているからには致し方ないもの、なのかもしれない。
つーわけで、読んでるだけじゃ嫌だ、食べてみたいって人は、ほんとなるべく早く近場を探して体験しておくことをおすすめする。
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