出版は昨年末から知っていたけど、そろそろだなと思って探してみたら。もう出版されていた一冊。
さっそく、kindleでダウンロードして読み始めました。
いやぁ、kindleいいわぁ。「よみたいっ!」って思ったらすぐ読み始められる。
前回のエガちゃんねる革命も舞台裏がすごく面白かったけど、今回はさらにパワーアップして、しかもさらにブリーフ団Dの仕事の哲学が詰め込まれてて、読みごたえがありました。
炎上上等のエガちゃんだから、ガチ炎上を回避する
もともと、江頭2:50という芸人は「レギュラーよりも1回の伝説」にこだわった男。
だから、いつでも一生懸命、全力投球。
だけれど、今の地上波では、コンプライアンスが非常にうるさく、リスクを抱えるよりはリスク要因を排除する方向になって、
けっきょくエガちゃんは出番がなくなった。
それを YouTube という舞台に移して、やりたいことをやる、というポリシーで、455万フォロー(2025年1月22日現在)というお化けに成長したわけです。
だけれど、これだけの規模になると、ちょっとしたことが大火事になるケースも。
それを象徴したのが2023年のマグロ祭り。
みんなにマグロを食べてもらおうと企画した無料企画で、10時開場。
会場周辺を考慮して朝7時までには来ないでね、と言ったのにもかかわらず、6時台ですでに現場が混乱寸前になるほどの大混雑。
そのうえ、約束どおり7時以降に来た人はマグロにありつけず…という、普段のサービス精神が完全に裏目になる事態になったのは、気の毒としか言えない。
だけれど、そういう時でも、速やかに藤野義明さんが顔出し謝罪動画を出して、一週間動画のアップを取りやめる、という対応を取ることで事態を収束できた経緯を読んで、
現場で修羅場をくぐってきた人は対応が違うな、と感心したしだいです。
暴走するエガちゃんだから、台本はキッチリ作る
また、江頭さんと言えば、ガンガン暴走するのがお約束。
だから、まったくのノープランでいいか、というとそんなことは絶対にない、と筆者は言います。
どういう動きをして、暴走するエガちゃんをより面白くさせるか、ということを常に考えている。
それが、くだらない内容をやる時ほど必要なんだ、という所に、
長年、お笑い番組を手掛けてきて、江頭さんの仕事を知り尽くした藤野さんの矜持がある気がします。
芸能人ユーチューバーには2種類ある、と藤野さんは指摘します。
ひとつは中田敦彦さんやカジサックさんのような、自分をどう見せるかに長けた「プロデューサー型」
一方で、江頭さんや宮迫博之さんは、舞台の上で暴れ回ることができる「プレーヤー型」といい
裏方やブリーフ団たちが、エガちゃんに存分に暴れてもらうために、台本で動きを共有する必要があるんだ、と説明します。
台本を作るうえで意識しているのは、「企画は大胆に、詰めは繊細に」。どんな展開でも対応できるように想定&準備をしておく。
といっても、その想定を毎度軽々と超えてしまうのが江頭2:50なんですが……。
その「台本では思いつかなかったハプニング」こそが面白いし、視聴者に喜んでもらえる内容になります。
エガちゃんねる 10億回再生 下品の流儀 (p.65-66). 宝島社. Kindle 版
エガちゃんに存分に暴れてもらうために、想定外など許されない。
どんな時でも受け止める舞台をつくれば、
エガちゃんはその期待をさらに上回るパフォーマンスを叩きだしてくれる…長年タッグを組んできた藤野さんならではの、覚悟を感じますね。
下品をウリにしているからこそ、普段は礼儀正しくを徹底
あと、意外というか、やっぱりと思ったのが「藤野さんがスタッフの礼儀にメチャクチャ厳しい」こと。
オトナでもたまに、悪役は心底悪い…という単純な思考をする人がいますが
だいたい、嫌われる役やる人って「どうやれば憎たらしく見えるか」を日々、死ぬほど考えているので
それ以外では極めて礼儀正しい人柄なのがほとんど。
その理由を、藤野さんはこう書いています。
江頭さんの暴走による炎上は覚悟していますが、その分、笑いに関係ない引っかかりはできるだけ排除する。
そうしないと正義のない、ただの無茶苦茶な暴走集団になってしまいます。
逆にほかの引っかかりを排除することで、江頭さんの暴走を際立たせることができる。それも「下品の流儀」です。
エガちゃんねる 10億回再生 下品の流儀 (pp.178-179). 宝島社. Kindle 版
私もそうですけど、テレビって結構いい加減な報道とかして、具合が悪くなると頬っかむりするイメージがありました。
とくに普段から「正義の味方」面をしているところほど、ひどいように思えます。
だけれど、下品をウリにする番組を制作するスタッフは
エガちゃんを追っかけて、そのハチャメチャさを際立たせることに専念するために、スタッフみんなでキッチリやる。
プロだと思うし、これこそ仕事をする人が見習わなきゃいかんなと。
…あんまり書くと、本が売れなくなるからこれ位にしますけど、改めて「エガちゃんねる」は
エガちゃんを知り尽くしたスタッフが、その全力を受け止めるために周到な準備と演出を行っているかがよく分かりましたね。
そう言う意味で、プロの仕事ってこういうモノだよ、という藤野さんの心意気を改めて知った次第です。
年の初めから、大当たり本をひけて、非常にラッキーでした。
ぜひ「あたおか」の皆さんも手に取って欲しいですね。
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