未熟でバカな私も気が付いたら45歳。ジジイになる自分が気になるお年頃です。
この歳になると「ああ、自分って大体こんな感じなのかなぁ」って稼ぎや生活の水準を悟るころ合いになってきたりします。
その一方で、体力はピークを越えて、年々老化で下がり気味。
ジジイになった時に、ホームレスになって段ボールハウスに住まないようにはしたいなぁ
せめて温かい布団の中で毎晩ぐっすり眠れるようにとは、ちょっと考えたりとかするわけです。
20代のころから「お金って面白そうだな」と自分でお金の勉強をして、
少しづつiDeCoの積立や預貯金、純金積立なんかをやってます。
もちろん、経済の勉強も好きで、特に読んでて参考になっているのは元財務省官僚で国のBSを作り
現在は古巣の財務省を始め、経済音痴のメディア報道をケチョンケチョンにやっつける
経済数量学者の髙橋洋一さん。
今回はこの1か月で読んだ、彼の2冊の本を読み比べていきます。
お金の不安を解消するための一冊『老後資金2000万円の大嘘』
2019年6月に、「老後は2000万円が別個で必要」というニュースがありまして…
「まぁ、今の形を続けていれば大丈夫だけど…これって要は私のような『おひとりさま』には当てはまるのか??」なんて思ってたりもしました。
とにかくメディアのニュースは「コレが正しい」という前提でモノを語りますから、コッチの疑問には全然答えず、
煽るだけ煽ってる有様でモヤモヤする一方です。
そんな中、習慣になってる本屋めぐりをしていると、『老後資金2000万円の大嘘』を発見
ちょうどいいや、と購入して読み始めた次第です。
最小2ページで、ウソとホントを明快に解説
髙橋さんは、物事の仕組みをキチンと言ってから「こういう条件だとこうなる」という明快な解説をします。
この本でも、「ものごとのウソと真実」という形で、問題の本質を最小2ページで解説しています。
だから、普段活字を読まない人でも、割と読みやすい。
この「老後資金2000万円」に関しても
老齢者世帯の貯蓄額の中央値(一番数が多いボリュームゾーン)は1500万円台で、今の65歳は全然若いんだから、残りの分は働きゃいい…という明快な解説になります。
じゃ、なぜそもそもこの話を出して来たのか?これは金融庁が金融機関とグルで不安につけこんで金融商品を売りたいだけだよ、とバッサリ。
変額年金保険といった、「安心ですよ」というキャッチフレーズで実は手数料がメチャクチャ高くてお買い得でない金融商品を売る「セールストークのマクラ」で使われるというわけです。
実に簡単。納得の回答。
持ち家か?賃貸か?も「損得」なら明快
また、この話になると最終的に両者険悪な雰囲気になってしまう
「長期のローンを組んで購入する持ち家と家賃を支払って住む賃貸、どっちが得?」に関しても、
明快に斬っています。答えはズバリ…(これは本を読んでください)。
ただ、これはあくまで「損得」の問題で比較した場合の話です。
家で過ごす家族の思い出や、所有欲を満たした時の満足感などはあくまで「別」。
また今の世の中だと親が残す家にそのまま住むパターンもあるから、これもケースバイケース。
ただ、不安に駆られて35年ローンを組み、家を買うということには、いい事づくめではなく、相応のコストとリスクがかかります。
要は「家を売りたい人のセールストークにホイホイ乗らないように、少し冷静に考えましょう」というだけの話です。
個人的に得した「国債」の話
私が一番「これいいな!」と思ったのは国債の話で、あらゆる金融商品(銀行預金含む)の中で
一番手堅い「国債」の解説が役立つなと感じました。
実は、国債って「銀行預金より金利が高く、安全」という鉄壁の性質を持っているために
金融機関が積極的に売りたがらない金融商品の代表格
売り出しなんかもヒッソリと、ホームページでも隅っこにチンマリとという感じで、国債の買い方や変動金利の仕組みなんかをあんまり良く分かってなかったんで。
今、私はインデックスファンドの積立をやってますが、ちょっとお付き合いのある人が
「インデックスファンドは怖いから、もっと手堅いものを知りたい」という話をしているんです。
私からしたら、リスクを分かってるから全然怖くないけど、そういう人に国債を勧める際に
「この本がいいよ」って同著を勧めつつ、国債への投資を勧めるのもアリだなと。
そう言ったケースに対応するためでしょう。髙橋さんは、例えば「定期預金をマルっと国債に付け替えるなら」とかちょっと特殊なケースに関しても書いてありますし
「国債がインフレに負けるのでは」と不安に感じる人にもちゃんと解説してるのでおススメです。
タイトル通りの「新聞・テレビ・ネットではわからない 日本経済について髙橋洋一先生に聞いてみた」
『2000万円の大嘘』を読了してしばらくしたら、今度はこの一冊に遭遇。
この本は、先ほどの本と同様に、統計などのデータやマクロ経済学の法則などを駆使して
結論をズバッと出してから、丁寧に理由を説明する一冊です。

答えだけなら右上を見ればわかるけど、説明や図、キーワードなんかも入ってるんで分かりやすい
巻頭では
『日本は「経済成長」していない』
『日本は「デフレ脱却」していない』
『日本は「財政破綻」していない』をこれまた分かりやすく、バッサリ。
そこから、Q&A方式で、インフレって何?とか、日銀が金利を上げるってどういうことなのか?とか
誰しもが分からないのに、新聞やメディア、ネットで見てもチンプンカンプンで要領を得ない話に
明快に答えてくれます。
国のGDPは「伸びしろ」が大事に目からウロコ!
のっけから掴まれたのが、日本のGDP(国内総生産)の話。
日本はアメリカ、中国に次いで第3位。しかし髙橋さんは「順位よりも伸びしろ。どれだけ伸びたかを見るのがGDPの本当の使い方」と話します。
え、そうなの?と一瞬思ったけど…考えてみれば
国内経済が成長するって、GDPがどれだけ伸びたかで全体を測れるよなぁ。と
で、日本のGDPを見てみると、順調に右肩上がりの他国とはうらはらに
ずーーーーーーーーーーーーーーーっと平行線。年平均0.6%!!
確かに、こりゃ異常事態だわ。
大金持ちだけが得する…わけじゃない経済成長
あとは、経済成長をこうやって潰してしまうと、どんな良くないことが起きるのか?
これは、失業率。つまり、仕事を失う人が増えるということ
日本はもう、成長しなくていいんだ!という人は「失業者がいくら増えてもいいんだ」と言ってるのと同じ…らしい。
ましてや、某教授みたいに、外車にタワマン住まいしてるのに、平等に貧しくなろうとは「とんでもない話」ですわな、たしかに。
天下国家の経済を学んでいると、世の中はウソだらけだと分かる
こういう本を読んでいると、経済政策をしているわけでもない私に
「そんなことを勉強していても、何の役に立つの?」とはよく言われます。
スゲー役に立ってます。
それは「世の中はウソだらけで、自分の頭が悪いわけではなかった」ってハッキリわかるから。
話を信じるも信じないも、自分の選択だと思うのですが、少なくとも分かると
じゃ、経済でこういう政策をしたら、コッチに行く可能性が上がるな、とか
あの時は、こういう状態でこういうことをしたから、あんなことになっちゃったんだなとか。
そういう風に、自分で考えるようになるだけで、「これからどうなっちゃうんだろ?」という不安が和らぐんですよね。
これは何回読んでも面白そうで、これもおすすめですね。
ホントの話を読むと、ムダな不安に駆られないのでおススメ
「2000万円の大嘘」が、生活に根差した視点からウソを切りまくる本で、生活防衛の知識を得るのにおススメなら
「日本経済について髙橋洋一先生に聞いてみた」は、普段流れてくるニュースからいかに真贋を見抜くかという、もっと大きな経済を勉強する方におススメだと思います。
で、どちらの本でも言えることなんですが
この世には人の不安や欲につけこんで、色んなものを売りに来たり、ささやく連中がいるということです。
メディアはというと、経済のことなんて基本よく分かってないから、「事実を伝えてる」と言い訳しながら煽るのが常です。
だから、この手のお金の情報は、よーく知ってる髙橋さんみたいな人の本を読んでた方が
メディアのでたらめな意見よりかははるかに有益です。
最近、シミジミ思うんですけど、世の中の情報と呼ばれるものの中には、髙橋さんのいう「大嘘」が堂々と紛れ込んでます。
一方で、僕らの一生はそう長くないから、間違った方向に足を突っ込んじゃうとリカバリーする間に人生おわっちゃったりするわけです。
世の中には「難しい」「面倒くさい」と言いながら、毎日意味のない不安に揺れている人が割と多いですが
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」で、わけのわからないモヤモヤで頭を満たしている位なら
さっさと、枯れ尾花であることを見切って先に進んだ方が、精神衛生上非常によろしい。
そんなわけで、テレビのワイドショー見ている暇があったら
この2冊を読んだ方がいいですよ。すごーく、おすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。ブログ主のモチベーションになりますんで、この記事が面白かったらTwitterリツイートやシェアボタンで拡散、よろしくお願いいたします。
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