小学生の頃の話。
休み時間、私は外に出るのが嫌いで図書室に入り浸っていました。
最初は図書室に隠れてた、というのが正確でしょうか。マンガだからと日本の歴史を読みふけっているうちに
「他のものも読んでみよう」となり、アルセーヌ・ルパンや江戸川乱歩の少年探偵団、図鑑の類に食指を伸ばしていきました。
児童書はスジが分かりやすいし、「読む」ということは遊びのうちになっていたので、全然苦になりませんでした。
あと、もう一つ小学校高学年でやったのは
新聞の一面コラムを筆写することでした。
朝日新聞なら、天声人語。読売新聞なら編集手帳といった具合に、新聞の一面には記者の中でも名文家と呼ばれる腕利きが担当するのが常でした。
コラム欄は◆や●などの記号で段落を区切ります。ノートに写す時は改行していました。
これを毎日、写していました。
コラム筆写を続けていたら読解力がメチャクチャ付いた!!
そのうちこの話は友達に伝わり「なんでそんなこと、やってるの?」と聞かれました。
簡単です。1週間分写すとオヤジが500円くれたからです(笑)
コラムなんて最初はチンプンカンプンですよ。読んでて面白いわけはない。
ものすごく下品な話ですが、これで覚えた単語の一つに「レ●プ 」があります。肝心の内容が分かったのは5、6年後ですが。でも、小学生でも分からないなりに写していると、まぁ「悪い事」であることは分かる。
で、ただ黙々とカネに釣られて写してたら内容が分かるようになってきました。
そうすると、面白くなるんですよね、コレが。
そのうち短くて物足りなくなることもありました。でもまぁ、500円貰えるからいいやと思い何だかんだで2、3年はやってたと思います。
コラムを習慣的に書き写すことで手に入ったもの…それは
子供向けの本から、比較的スムーズに大人の本(エ●本じゃないよ)に移行できたことですね。
オトナの人なら、当然知っている背景知識があるかどうかで、大人の本は読みやすさが変わります。
コラム欄だけでも習慣的に新聞を読むと、「本の内容をより深く理解する読解力」がついてくるんですよね。
新聞から、おとな向け文学へ…
ちなみに僕は中学生から、ゲームの「三国志」にハマって、そのついでに吉川英治の小説「三国志」に手を出しました。
もしコラム筆写をしてなかったら横山光輝の漫画版に向かったのではないでしょうか。
そして、本を読むことを続けた結果、国語の勉強0時間で成績上位に入る状態になりました。
国語は授業以外ホント、何もやらない。
だって、授業でやる国語って、優等生的な感じがするし
第一、内容に毒がなくてつまらない(笑)。
それよりも…
三国志から孫子の兵法なるものを知り、じゃあ孫子の兵法ってなんだろう、って探すと、ビジネスマン向けの本を読んだり…オトナの本は面白いんですよ。
不倫あり、憎しみあり、策略あり、殺し合いあり…そこまでいかずとも足の引っ張り合いとか、ね。
道徳的でない方が面白いんですよ。実践したくはないけれど。
新しい事を知るってのはジワジワとした面白さがあるもので、興味があることが枝葉が広がるように次々と湧いてくる。
そうすると、別に「本を読め」と言われなくても勝手に読み続けるもんです。
書くことが「仕事」になっちゃった
何よりありがたいと思うのは、現在念願かなって「文章を書いて」生活の糧を得ていること。
仕事で記者や広告の制作をしていますが、「君の文章はホント分かりやすくて読みやすい。イイねぇ」とよくお褒めの言葉を頂戴します。
また、仕事とは違った文章を好きに書いてみたくて、ブログもやるようになりました。
私の人生は、「読む」「書く」で貫かれていると言っても過言じゃない。何より好きなことして毎日生きていけるなんて、最高です。
それもこれも、あの「1週間500円の小遣い稼ぎ」から始まった訳で、オヤジには大変感謝しています。
ちなみに現在でも、この書き写しは継続しておりまして、有名人が亡くなると掲載される評伝や、本の中の素敵な一節を書き写してコレクションしてます。
【参考】
評伝を書き写して、文章力を付けるトレーニング
好きな本の一部を書き写す読書メモ編
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