人民解放軍を返り討ちにして台湾独立を守った「押しかけ助っ人」~根本博

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ふとした思い付きから「日本のスゴイ人列伝」を始めてしまいました。

長年、色んな本を読んできたから、当面のストックはありますので、それをドンドン出せるだけ出しちゃえ!と思っています。 今回ご紹介するのは、根本博さんです。

根本博陸軍中将

この人、何がスゴイって…

恩義に報いるため、供を連れて一人で台湾に乗り込み

助っ人参謀として大活躍 ホントに台湾を救っちゃった、ところです。

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終戦時に蒋介石に恩返しを約束

この根本博は日本陸軍の内蒙古司令官として終戦を迎えます。

当時、外地の部隊もすみやかに武装解除を行い、帰国の手続きを行うのが手順でした。 しかし、ソ連軍は残留兵をシベリア送りにし、在留邦人を殺すわ犯すわ、奪うわの暴虐の限りを尽くしました。

根本は命令通りに武装解除を進めれば在留邦人と自分の部下がソ連軍に襲われて、どうなってしまうか分からないと判断。そこで、自分の交渉相手 中国国民党の総統、蒋介石に協力を依頼。 部下や邦人が無事帰国ができるまで逆命覚悟で武装解除を拒否しました。

皆が無事引き上げたことを確認後、根本自身は一番最後に帰国します。 いよいよ帰国の際、蒋介石に「何かあったら必ず恩返しする」との言葉を残し日本に帰国します。

ボロ漁船で台湾に「密入国」

その「何か」はこの3年後に起こります。国共内戦で中国が、国民党と共産党の真っ二つに分かれて中国大陸の覇権を争いました。

アメリカの支援を受け、最初は優勢だった国民党でしたが、日に日に劣勢になり、ついには中国大陸をたたき出され、果ては台湾に逃げ込む状態に陥ります。

当時アメリカもあきれて匙を投げたようですから、よほど弱かったんでしょう。

「いつか恩返しを」と考えていた根本さんは、台湾を救いたいという同志の手引きで九州でオンボロの漁船に乗りこみました。

当時日本は連合国の占領下にあり、かつ中華民国は国交回復していません。

台湾に行くためには密入国しかない。そのため人目を避けるために最も安全な「島づたい」のルートをとれず、エンジントラブルも発生して死ぬか生きるかみたいな、むちゃくちゃな渡台でした。

しかし、一念は石を穿つといいます。 彼はついに台湾に到着します。

助っ人参謀、参上!!

台湾上陸後はしばらく本人確認が必要でしたが、間もなく蒋介石と再会。

アメリカにも見放され、追いつめられていた蒋介石は、思わぬ助っ人を喜んで迎え入れ、根本は日本人の身分を隠し、軍事顧問として戦争に参加します。

そして、怒涛の勢いで迫った共産党軍に対し、最前線を一歩放棄して あえて、守りやすい金門島におびき寄せて叩く「肉を切らせて骨を断つ」作戦を根本は提案。

赤く表示されてるのが金門島です。ここが陥落すると台湾本島が直接大陸の脅威を受けることになります。

 その読みがズバリ的中し、共産党軍撃退に成功します。

この一勝が効いて、中華民国側は独立を保ち、現在に至っているのです。

戦史から消され…「伝説の男」は語り継がれた

しかし、この戦いは中華民国にとっては、 共産党軍に一矢報いて快勝した国民党軍の勝利要因が「昔の敵」日本から来た将軍の作戦であるというのがいかにも具合の悪いことのようであったらしく、 台湾の戦史では抹消された事項とされてきました。

でも、隠しても出てくるんですよね。根本さんの話は。

地元である金門島には、「自分たちがあの戦争で死ななかったのは、ある日本人のおかげだ」という伝承が残っているんです。

さらに、この根本さんを送り込んだ原動力になったのは、台湾を愛し、憂いていた台湾ゆかりの日本人や台湾の人々の縁もある。 彼らにとってみれば公式の戦史など取るに足らない。

しかし、時が経つにつれ、死力を尽くしたのは国民党軍だけではなかった…というのが徐々に明らかになっていきます。

そしてこの戦いから実に60年後に、根本さんの存在がクローズアップされることになります。

でも、まぁこれは僕の推測ですが、根本さん本人にとってそんなことは「どうでも良かった」ことであったと思います。

彼にとっちゃ、自分の部下や在留邦人のためにひと肌脱いでくれて、日本の国体を保持するために動いてくれた蒋介石に対する恩返しだと思っていたんでしょう。

台湾に渡るのも命がけで、オンボロの漁船に乗っての「押しかけ」だったし、無償の行為で台湾に渡っている間、家族はほったらかしだったし…。

でも、そこまでしても彼が台湾に行ったのは、「恩人である蒋介石がピンチだから」っていう一点なんですよね。 「この人だったらこうするだろうな」っていうのが違和感がない。

自分じゃこんなこと、できないしやろうとも思わないですが、だからこそこの人の稀有な人格と勇気が輝いている気がするんですよね。

日本のスゴイ人列伝、まだまだ続きます!!バックナンバーはコチラから!

参考図書

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