稀代の偏食家が三冠王を取るまでが面白い!落合博満『戦士の食卓』

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先日、書店で落合博満さんの『戦士の食卓』を購入しました。

落合さんの本を読むのは『采配』以来かな?しかも、出版社が『岩波書店』というミスマッチも面白かったので、購入したんです。

これが面白くて、翌日までには読了。久しぶりに「面白い本をガツガツ読む」体験をしました。

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超偏食の落合さんにのけぞった!

この本で一番面白いのは、私は「落合さん、こんなスゴイ偏食だったの!?」というところ。

奥さんの落合信子さんが、出会った頃からの思い出話から説き起こしてくれるので、すごく良く分かったのですが、

とにかく、食事がひどかった!

お二人の馴れ初めは落合さんが東芝府中にいたころからの付き合いだそうですが、

その頃の食事がラーメンとチャーハン、給料前になるとカップラーメンにライス

カーボ×カーボで「満腹感重視」。

その上、ご飯にジュースの素をかけて食べたりと奔放を通り越しているんです。

信子さんは、初対面で「太ももがガッチリしているのは流石プロに進む予定のアスリート」と思ったそうですが、顔の吹き出物や肌の荒れなどから「食生活の管理ができてない」と見抜いたというから、よく見てるな、と。

その上、アレがダメ、これもダメと超偏食。初対面で信子さんの母親が作ったきんぴらごぼうを

「美味しいと思うけど、大嫌いだから」と拒否。

身体のために、と入れたものを「お前も食え」と箸でヒョイヒョイ信子さんに渡す、というひどい状態でした。

そういった偏食だから、常時お腹はゆるい方で、体調を崩すこともあったそうです。

信子さんが思ったことは「落合を食の面から一流選手にする」ことだったそうで、

その成果が、あの輝かしい落合さんの「三度の三冠王」などの実績だったと言えるわけです。

信子さんの手料理を食べ続けて、夏バテ知らずの現役時代を送る

落合さん自身が本で語っていますけど、結婚してからは夏バテで調子を落としたことはない、といいます。

それっていうのも、信子さんが栄養のある料理を美味しく提供することに長けてて、

一回食べたものを自分で作れるという凄腕で、落合さんが気に入った料理をすぐ、作れるということも大きかったんだろうな、と。

美味しくて、食が進み、バランスも取れてて体のケアにも役に立つ食生活。

そして、大好きだったお酒も、選手生命を伸ばすために飲み方を考えるようになり…

そういった「英才教育」を受けたので、信子さんのいない遠征中でも、徐々に体のコンディションを整える食生活を自然とできるようになったそうです。

「汚い卵を育てた」の真の意味を知る

私、落合さんが巨人入りして以降、結構テレビにも夫婦で出たりすることが増えるたびに

「今の女子アナなんかいいじゃない、出来上がった一流選手と結婚出来て。私は自分で落合を育てたんだ」って言って、傍らで落合さんが苦笑している絵を何度か見たんですけど、

この本を読んだら、信子さんの言ってることはその通りだし、落合さんが苦笑いするのも無理はないと。

その通りなんだもん。

でも、面白いのが、実績から「ええかっこしい」ならいくらでもできるし、それで押し通せもできると思うのだけれど、落合さんがあえてこの本でかつての偏食ぶりを書いているのも

プロ生活を支えてくれた食の師というか、もっと言えば人生を一緒に一生懸命に応援してくれた

奥さんの信子さんへの感謝ってのも大きいんだろうな、って思いますよ。

落合信子さんに関しては、「伝説」ができるほど面白エピソードの宝庫なんですけど、私個人からすると、こんなスゴイ人、なかなかいねーぞ、と思ってて…

結婚するなら落合信子さんみたいな人がいい、と本気で思ってます。

今回の本で「やっぱ間違ってなかったわ」と確信したブログ主でした。私は独身だけど(苦笑)

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野村克也『ありがとうを言えなくて』を読む…今は亡きノムさんが妻沙知代さんへの思いを書いた本です。サッチーと信子さんって同じ野球人の妻で、どっちかというと同類みたいな括りがされていたと思うんですが、今思うと随分違うなと。

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