野村克也、最晩年の姿がグッとくる~飯田絵美『遺言』

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昨日、英語の勉強のために地元図書館に行った時のこと

入り口すぐそばの新しい蔵書が飾ってあるところに一冊の本が掲げられていました。

飯田絵美さんの『遺言~野村克也が最期の1年に語ったこと』という一冊でした。

私、失礼ながらこの筆者のことを存じ上げなかったのですが、手に取って2、3ページをざっと読んでみると、ノムさんとは番記者から20年以上のお付き合いを重ねてきた人物だそうです。

ノムさんがヤクルト監督としてバリバリ頑張っていたころ、野球も知らない新米記者からの長い長い思い出。

こういう視点は面白いな、と早速貸し出しを済ませて読み始めました。

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新米記者で、最初は「無視」からのスタート

ノムさんって割と女性には優しい人だというイメージがあったんですが、

筆者飯田絵美さんの場合、サンスポの駆け出し記者のとき、

女性記者にも関わらず「一年間挨拶しても口をきいてもらえなかった」そうです。

そして、キャンプ地から選手の家族あてのメッセージを掲載する連載の担当するようになって、ようやくノムさんから認められるようになった、とのこと。

ヤクルト監督時代から、阪神監督時代、雌伏のシダックス監督時代を経て、楽天で最高齢監督となる時代と、長い長い時代を経て、

2人は監督と番記者から、本の編集者となった筆者との交流が続いてきたといいます。

この2人、けっして怪しい関係ではないんですが、野村さんはこの飯田絵美さんという人間を気に入って、相当気も使い、信頼もしていたようです。

飯田さんが最晩年のノムさんにした「大仕事」

サッチーが亡くなって、妻に先立たれ一気に弱気な男になっちゃったノムさん。

口から出る言葉は、「もうやることはない」とか、とにかく「お迎えはもうすぐ…」みたいな

絵にかいた妻ロス状態。

飯田さん自身も人生の岐路に立ち、結構苦しい時期だったみたいですが、

このノムさんを何とか元気にしよう!と頑張ります。

月に一回食事を共にし、その言葉に耳を傾けているうちに「ワシには人望がない」とボヤくノムさん。

読んでる私も一緒になって「人望がない、なんてご冗談を!」とノムさんに突っ込みを入れつつ、じゃぁ、とかつての番記者たちを集めて同窓会を開く飯田さんにいいぞ、いいぞ!と喝采を送ってしまいました。

元番記者たちと楽しいひと時を過ごしたノムさん、大喜び!

また、本の執筆で仕事を持ち込んだり、

かつてノムさんを補佐していた時のコーチ陣との食事会、教え子である元プロ野球選手たちも集めて同窓会も開いたりと、

「人望がない」と思ってるノムさんに、そうじゃない!あなたを慕う人は私以外にだっていっぱいいるんだ!と

ノムさんが元気を取り戻して欲しいと飯田さんは頑張ります。

特にグッときたのは、「プロ野球選手といえど社会人だよ」とかつて言葉を掛けられていた

元プロ野球選手たちと再開したとき。

プロ野球の世界で頑張るもの、新天地で頑張るもの

それぞれ、立場は違えど、立派に社会の一員として努力し「監督に会いにきました!」と声をかけてくれる元選手たちの姿に

ノムさんが大いに喜び、心を癒されている姿は、孤独に打ちひしがれていた彼の身体に明らかにいい影響を与えたみたいで、

後に、神宮球場で行われた、50周年のOB戦への参加など、彼の生きる意欲をかき立てることになったんじゃないか、と気づいたわけです。

サッチーに先立たれたからこそ進んだ縁の結びなおし

そして、私が一番人生の不思議さを思うのが、

愛妻であるサッチーを亡くして、本当に辛かったと思うけど、彼女の死によってこれまで棚上げになっていた縁の結びなおしもまた、進んだこと。

実の兄嘉明さんとの再会や、先妻との息子と克則さんとの引き合わせ…

特に嘉明さんとの再会は、彼がサッチーとの結婚を認めなかった関係で、

ブッツリ切れた縁がサッチーの死をきっかけに回復、先妻の息子さんともちゃんと息子に引き継ぐこともできた。これは、良かった。本当に良かったと思いましたよ。

飯田さんが1度目にこれなかったメンバーのために2度目の元選手同窓会を企画しながら、その前にノムさんは旅立ってしまうわけなんですけれど。

それでも、極上な人生の締めくくりだったのではないかと、そう思うわけであります。

 

これまで、私はノムさんの最晩年は孤独で気の毒だ…とばかり思っていましたが、

筆者や周りの人間たちから、これだけ尊敬されて、大事にされて、様々な人生の伏線をキチンとたたみ、見事に人生を全うしたノムさんの姿を読んでいくうちに、

メチャクチャ泣けてきて、私号泣しちゃいましたさ(´;ω;`)

以前『弱い男』を読んで、自分の弱さを正直にさらけ出す姿に感動した私ですが、やっぱり偉大な野村克也であり、それは他ならぬ選手や縁のあった人達には、当然のことなんですよ。

【関連記事】

野村克也『ありがとうを言えなくて』を読む
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