来年は昭和100年。昭和天皇を知るのに、最も入手しやすい一冊

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来年(2025年)は、昭和100年に当たります。

私自身は1978(昭和53)年生まれで、昭和天皇が崩御されたのが小5の冬でした。

平成に入り、令和になった今どき、昭和を振り返るにつれ、

昭和天皇という人物が歴史的に、とてつもない大人物であったことを痛感し、

このブログでも、様々な古書から採録したエピソードを書いています。

だけれど…時間の流れは残酷で、昭和天皇を取り上げる本が、徐々に絶版になっていきます。

そんな中、今年8月、宝島社から出版されたこの本は、私にとっては「人間、昭和天皇」を世に問う一冊としてすばらしいと思い、遅きに失した部分は否めませんが紹介することにしました。

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エピソードを通して垣間見える「天皇である」ことの難しさ

この本では、その生涯の中で、よくそのお人柄を表す50のエピソードを厳選しています。

その一つ一つを熟読していくと、あの激動の時代に、これほど優しく、忍耐強く、国民を思った方がいらっしゃったことに、感謝したい思いになります。

そして、そのエピソードに対して、今の読者が分かりやすい背景も付しています。

この手のエピソード本で難しいのは、今の価値観が混じってしまうこと。その時代の状況を踏まえてそこで昭和天皇はどのように考え、何を語ったかというのが

めちゃくちゃ大事になってくる。

この本はそういう所も割ときちんと説明しているので、ものすごく好感が持てるのです。

これがよく分かるのが、靖國神社参拝を取りやめた経緯。

私は、靖國神社には人よりは行ったことがある部類に入ると思います。それはこのブログでもたびたび披露しています。

昭和天皇が、勅使を出しても自らが行かなくなった経緯がこの本で紹介されています。

私自身の感想としては「なるほど、ここまで広く、モノを見るのが天皇である難しさなのだな」と理解はできました。

泣けるエピソードは大体、揃っている一冊

私もXでたびたび披露している昭和天皇のエピソードも、この本は割と収録していて

特に、泣けるエピソードはほぼ、私が調べて出てきたモノはほとんど全て、と言っていい位出てきます。

特に、35歳で亡くなった第一子、東久邇成子さんの最期を看取ったエピソードは

天皇以前に、娘に先立たれる父親としてみると、ここまで己を抑制できるのか、と驚きます。

また、どんな時でも、天皇であるがゆえに、その責務を全うし

戦後のご巡幸では、ひたすらに人々を励まし、いつくしむ姿に深く心を打たれるのです。

現在、一番簡単に手に入る「昭和天皇エピソード集」としておススメ

私は、関連書籍を段ボール1杯分くらい、コツコツと買い集めて、読んでエピソード探しをしてきました。

だいたい、こういう本は残り少ない。それに著作内で該当する箇所は実はそんなに多くないので、コスパもタイパもそんなにいいわけではない。

だけどこの本は割と、そういう手間を省いて、心を打つエピソードを集めて一冊にまとめてくれているのがすごくありがたい。

もし、昭和天皇のエピソードを本で読みたいなら、この一冊をまず、おすすめします。

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