引退直後の野村克也さんの評伝を発掘

読書メモ

90年代のヤクルト黄金時代を築き上げた野村克也さんは、言うまでもない球界のレジェンドです。今でもご本人の本が出版されています。

野村さんの話が少しずつ変わってる問題

これだけのレジェンドなので、話のネタは無尽蔵なはずなのですが、最近はあまり読まなくなっています。

というのも、同じ話がものすごく多いし、場合によっては話が少しずつ変わってきているからです。

特に、南海ホークス(現ソフトバンク)の兼任監督時代、江夏豊をストッパーに転向させた話は、細かな部分が少しずつ変わってきています。

先発完投が当たり前だった時代に、投手分業制を確立し、ストッパーに江夏豊を据えるという時代の転換点ですから、もっと客観的な話を読みたいと考えました。

とりあえず、「名監督野村克也」前の本を探してみた

最近はAmazonという便利なものがありますから、検索してみると、この本が見つかりました。

初版が1981年なので、野村さんが現役引退した翌年に出版されています。

また、著者は野村さん本人ではなく、ルポライターの長沼石根さん。読んでみると、多くの有名無名の人々に取材した、かなり客観的な文章の書き方をされる人だと思いました。

問題の「江夏ストッパー転向部分」を読む

本書の101ページから、この江夏ストッパー転向を取り上げた文章が紹介されています。

1976(昭和51)年にトレードで南海ホークスにやってきた江夏豊ですが、肩とひじがボロボロで、移籍後6勝に終わります。シーズンオフにウエイトトレーニングで鍛えなおす一方、リリーフへの説得が始まります。野村本人の証言で「半年かかった」と紹介された後…江夏さんの証言が始まります。

江夏の最後の完投は、移籍二年目、つまり77年5月8日の対日本ハム戦だった。3対2。勝利投手にこそなったがー「終わったら体中がガタガタ。マウンドに立っているのがやっとだった。その直後ですわ。日生球場の外野の芝生に座って監督から、もう先発はしんどいやろ、これからはピッチャーの分業時代になる、リリーフエースになって革命を起こせといわれた。なにくそと思ったが、自分の体が答えを出していた」(102ページ)

太字で書いたのは、複数の本に当たったときに、違う表現をしているところです。

まぁ、人と話していると「事実のとらえ方」は人によって違うことも多く、前後の記憶とも混線してくるから、100%正確とは言い切れない部分がありますけどね。説得に半年かかったなら、なおさらです。さらに、おそらく著者も分かりやすくするために、証言の全てを文字に起こしていないこともあるかと思います。

現役時代の野村克也さんを知る、中々の良書

これに限らず、野村克也さんの現役時代までのエピソードが詰まってて、しかも「他人から見た野村克也」の証言が豊富に盛り込まれています。特に、1973年に王貞治さんと争った通算本塁打記録の競り合いや1977年の南海ホークス監督解任騒動にはかなり客観的に、詳細に経緯が書かれています。

当然、もう絶版なのですが、後に朝日文庫で文庫化もされているので、ご興味のある方は文庫版をお探しになるといいかもしれません。

コメント

  1. dalichoko より:

    有名なエピソードですね。
    野球そのものが大きく変わりました。
    (=^ェ^=)

    • m_alternative より:

      >dalichokoさん
      こんにちは。コメント嬉しいです。

      そうですね、私自身別の本で何度となく読んだ出来事ですね。劇的なシーンだから実際のところどうなんだろうなと…

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