この記事では、図書館で放出される『リサイクル本』の楽しみ方を考察します。
図書館によって、一定期間に行われたり、あるいは常設で行われたり様々ですが、これが一期一会的に本を楽しめるので、ぜひ「宝探し」感覚でお試しください。
リサイクル本とは何?
リサイクル本は図書館が時折、蔵書の整理をした際に、除籍、放出される本を個人的利用に限って譲る制度です。
どんな小さな図書館でも、蔵書は数万冊単位(十万冊も珍しくない)あり、棚差しされていない本も書庫にあります。
その一方で、図書館は新たな本を買い入れているので、そのままだと、図書館はパンクしちゃいます。
そこで…
・取り置き期間を過ぎた雑誌
・数年来貸出されない本
・貸出回数が多く本が傷んで、新しく同じ本を買い替えたもの
などを、定期的に放出する必要があるわけです。
実際に図書館に足を運ぶ必要があることがほとんどですが、最近はこんなサイトもあります。
古本屋にない「リサイクル本の魅力」
ユーズドな本を自分のモノにする、というチャンスが得られる場所は、
古本屋が挙げられますが、リサイクル本は大体(当然)複数の同じ本を放出することはありません。いわば一品ものです。
そして、図書館は利害関係なく本を入れるので、
ベストセラーではないが、結構読み応えのある過去の著作を実際に触れるチャンスにもなります。
そして、最大の違いは無償でもらえること。ただし、これは図書館も大っぴらに言いませんが「もらった本は転売禁止」です。
リサイクル本は「タイムカプセル」
私のリサイクル本の楽しさは「昔の空気を本を通して感じることができる」ということです。
例えば、先日リサイクル本で見つけてきたのはこの本でした。
この本は1991年出版。今から30年前の著作です。
こんな古いの、情報として役に立たない!とバッサリやるのは簡単ですが、湾岸戦争まで、世界がどう動いてたか、という解説に関しては、全く古くならない。だって歴史だから。
そして、そこで投げかけられた疑問に、実際にどう対応し、今はどうなっているかということの答え合わせを楽しむ、というのもおススメです。
この本の最後では、湾岸戦争は第二次大戦後、打ち立てられた世界平和の秩序維持であると明確に述べ、平和維持活動をお金の拠出だけで済ませた日本はどうなんだ?みたいな書かれ方をしていますが…
その後、自衛隊のPKO活動は特別措置法で行われるようになりました。
湾岸戦争当時は、私中学生だったので記憶があまりないのですが、そういえば確かにお金を出したにも関わらず、クウェートの感謝広告から国名が漏れていた…といってた記憶があったので、
そうか、そういう段階を経ていまがあるわけだ、と考えるヒントになるわけです。
ちょっと古い雑誌を楽しむ
また、取り置き期間を過ぎた雑誌も面白いです。
雑誌は、言ってみれば使い捨てのメディアなんで、目立とう精神の塊のような内容で読者をキャッチしに来る。異常に偏ってたり、尖がってる内容もあります。
それを読むと、今の答えが分かっている我々から見たら、そうとうトンチンカンなことを書いていたりすることもあります。
これは私の個人的な経験なんですが、父親が昔買った『イミダス』という、ニュース年鑑みたいな本を読んだら
「日経平均株価が10万円になるだろう」と吹きあがってました。
このイミダス、バブル崩壊する前の本だったんですよね。
こういうギャップを手軽に楽しめるのが、リサイクル本雑誌の面白さです。
児童書は割とおススメ!
また、子育てしている人におススメなのが、児童書。
これも結構出てきます。
児童書はあると、子どもたちが「読んでみようか」と手に取って、それが当たりだと、ずーっと読んでますから。
しかも図書館のリサイクル本は大体ラミネートフィルムで表紙を覆っているので、汚れにくい。ドリンクや食べ物をこぼしても、サッと拭き取ればいいから便利です。
リサイクル本に回ってくるのは、使い込まれた本を入れ替えるケースがあることを述べましたが、これは数多くの子どもたちを魅了した本が手に入るチャンスでもあるので、ぜひのぞいてみて欲しいと思います。
最後に…
図書館は、我々の税金の一部を割いて運営される知の共有財産です。
国立国会図書館のように、全出版物を収めることができないですから、当然選に漏れて放出される本もあります。
しかし、私の持論ですが「価値のない本はない」のです。
リサイクル本コーナーを見つけたら、ちょっと覗いて、「面白そうだ」と思ったら貰って読んでみてはいかがでしょうか。
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地元の図書館へ行ってきた …私は図書館が好きで休日になると結構足を運んでいます。この時もデーモン閣下や山田邦子さんのタレント本が出てたので、リサイクル本で頂きました。面白かった~。
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