「鳥の視点」と「アリの視点」の二刀流で…埼玉県立歴史と民俗の博物館で歴史を立体的に把握する

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昨年末、時間ができたので埼玉県立歴史と民俗の博物館を訪問しました。

プライベートでは、ちょっと難しい局面だったから、学びに没頭してみたいと、改めてお邪魔した次第です。

ここは小学生の時に、友人のおじさんに連れて行ってもらって以来、4回くらい足を運んでいるのですが、

ここの見学を通して「歴史の学び方」を考察したいと思います。

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教科書は基本、全国的な傾向を学ぶ

歴史の教科書や授業だと、中学や高校に限らず「日本の中で全国的にはこうだった」という総論的な歴史を学びます。

日本みたいに文部科学省が教科書の検定をやっていたり、入試を実施する際には大事で、あんまりニッチな話題でやると、歴史はそれこそ底なし沼のように深い。

だけれど、この「俯瞰する視点」というのは、もっと大きな視点を知るのにすごく有効で、例えば倭の五王の時代になぜ中国と接触を図ったのかを理解するためには

日本列島だけ見ているだけでは不十分で、中国大陸や朝鮮半島といった海の向こうの情勢も含めて考えないと分からない。

そんなわけで、「鳥のように」俯瞰する歴史学習は大局観を学ぶのにはすごくいいわけです。

そして、教科書は無味乾燥に思えるかもしれませんが、主体的に学ぼうとするオトナにとってはこのくらい俯瞰で書かれた方が、

分かりやすくて理解しやすい。

だから、私も結構教科書取扱書店に行って、教科書を購入しています。

【参考記事】

大人にとっても最高の入門書!「子どもの教科書」
日々問題に直面する大人になったからこそ、親だからこそ分かる面白さがあります!こんな面白い物、子どもたちだけにはもったいない。「用済み」だと捨ててしまわず、取っておくとものすごく役に立つのです。

地域史からの「アリの視点」もすごく面白い

ただ、これはあくまで均一にならしたときに「この頃はこんな感じだった」というイメージになりがちです。

しかし、今現在でも、東京都の港区と私の住む埼玉県桶川市では、生活面などで様々なことに違いがあるように

地理的な条件なども加わって、歴史にも差異が出るのが、むしろ自然です。

そして…人間にとって、普段生活する場所が昔、どんな感じだったかを知ることは

身近な分、面白い。

例えば、埼玉県だと教科書に詳しく載るほどではないが、特徴的な歴史として「板碑」というのがあります。

これは鎌倉~室町時代を中心に造立されたもので、今でいう「卒塔婆」の原型と考えると分かりやすいです。これが埼玉県内だけで27000基もある。

しかも最大5メートル以上という大型のモノ(写真右端)から、22センチの最小サイズまでが埼玉にある、という一大メッカだったりします。

それというのも、この板碑の材料が近くでとれる緑泥石片岩で、この石は「薄く割れて、柔らかく加工が容易」という特徴を持っている。

材料がそばにあるから、こんなデッカイ板碑も作れるし、作る側も「どや!?」とデカさを誇示したんでしょうね。

そういう「ちょっと範囲が狭いけど、身近な地域の昔を学ぶ」というのは、より歴史を自分に引き寄せるのに最適と言えるのです。

展示室のパンフレットがものすごく面白い

この、学校で学んだ歴史という「鳥の視線」と地元の歴史資料という「アリの視線」を繋げる意図をもって、

この博物館のパンフレットが作られています。

地元の資料館、博物館の面白いのはこの2つの視線をつなぐ作業である、と言ってもいいくらいで

特にここの博物館は「埼玉県」という、まとまったくくりから解き明かすことで

より楽しめるように作られています。

この博物館では歴史と民俗、芸術の観点から10の部屋に分けられ、パンフレットは各展示室をフルカラー両面印刷一枚でまとめています。

それぞれのパンフレットをもらって読みなおすことで、教科書の知識を別の方向から補強できるのが楽しいです。

地元の歩みを教科書の知識から一歩踏み出したところで感じられるので、

歴史に興味のある人には県立や国立の歴史資料館、博物館に足を運んでみることをおすすめしたいです。

 

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