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英語学習歴30年超になってしまった割に上達がいまいちの自分の失敗談を書く
『しくじり英語学習法』シリーズも、これで早くも第8回。
不思議なことに、書けば書くほど「しくじった」思い出がなぜか鮮明によみがえって参ります。
今回のテーマはリスニング改善の代表的な学習法として有名な
「ディクテーション」についてのしくじりを披露したいと思います。
そもそも「ディクテーション」って何じゃらほい?
ディクテーションは英語を聞き取り、文字に書き起こしていくトレーニングです。
多くの英語学習指導書でも取り上げられ、効果抜群であると絶賛されています。
私が英語の泥沼に足を取られていたころには「花形」の練習法でした。
曰く、リスニングがものすごく理解しやすくなる!
曰く、これをこなせばリスニングが制覇できる!
とまぁ、著者の体験談をちりばめつつ紹介されていたわけです。
そんなにスゴイ勉強法なら、きっと素晴らしいもんだろう、と取り組んだのが間違いの始まりでした。
まず「何にもヒントが無い方が力が付くだろう!」と初めて聞く音源をいきなりディクテーションしました。
すると、まぁ大変な手間がかかる。
当時のカセットテープを止めたり再生したり、巻き戻したりを繰り返し、苦心惨憺して書き出すものの、5行やるのに、一時間かかる。
あんまり、カセットテープをガチャガチャやってたら、隣の部屋で寝てた親父に
「やかましい!」と一喝されてしまう始末。で、効果はというと、全然。
相変わらず聞き取れず、分からずで「書いてあることと全然違って、役に立たないじゃんこんな勉強法」と放り出しました。
私のディクテーションの何がまずかったか?
とはいえ、英語学習法で、達人たちが絶賛するくらいの勉強法ですから、実は使い方によっちゃこの方法もまんざら捨てたものではないことは間違いない。
ただ、私は重要なことが決定的に抜けていて、この勉強をしちゃったことが成果に繋がらない最大の原因だと気づきました。
それを順に挙げていきます。
しくじり①レベルが高すぎる教材を使用した
当時使っていたリスニング教材が、文字起こしした原稿を読んでも苦戦するようなレベルを使っちゃったことが、原因その1。
知らない単語で、辞書引かなきゃ分からない単語が1行に2,3個あったら、
そりゃ、この練習をする前にしなくちゃいけない勉強があるだろ?と言わざるを得ないわけです。
ディクテーションはあくまで、容易に読めるレベルをリスニングして、「読む」「聞く」2つの能力の穴を埋める学習法です。
「読む」レベルで教材に追い付いていない私には、成立しない勉強法でした。
しくじり②「未知」のものを使うのは、ムダ。
内容が分からないものを聞き取れたら、そりゃ凄いですが、
日本語で考えれば、これがどんなにムチャクチャか、簡単に分かるはずです。
子どもの頃の私が「汚職事件」を「お食事券」と勘違いしたようなもんです。
ニュースの理解どころか、何言ってるか分からなくなる。
ディクテーションは、いわば知っている単語がいかに聞こえたかということを理解するためのトレーニングなんで、聞く内容が分かっていた方が効率がいいんです。
逆をいうと、内容の分からんものを解読するトレーニングじゃないってこと。
そんなことまでしょい込んだ、私のディクテーション練習が失敗したのは、後になって考えたら当然なんです。
しくじり③リスニングに効果あり、の本当の意味を理解してなかった
この後、中学校レベルの英文を音読した時に、このディクテーションを思い出し、試してみました。
すると驚くことに、それまで気づかなかった自分の「聞き落し」に気づくことができました。
そこで、気が付いたのが、
「ディクテーションって、リスニングが90~95%仕上がってるレベルで、残りのエラーを探すトレーニングとしては最適だな」。ということです。
つまり、まずは英文を理解し、
それを音声教材を使って、どう発音するのかを試行錯誤しながら音読を繰り返し聞き取り能力を向上させ、
自分に勘違いがないか最後のチェックを行う、その時に便利な訓練なんです。
英語達人って呼ばれる人たちは、おそらくそういった聞き落しを漏らさず潰して上達したから達人になったわけで、彼らがディクテーションを絶賛するのは分かる。
だけど、最後のチェックどころか、そもそもスタートラインにすら立っていない私には、全く向いていない訓練だったと言えるわけです。
どんな効果的なトレーニングでも、やる人のレベルに合わなきゃムダになる
筋トレでも、腕立てがロクに出来ない人に、100キロのベンチプレスやらせたら、
事故確実。
下手すりゃ死にます。
英語の学習で死ぬことはないですが、時間の無駄にはなります。
「リスニングが上達する」と聞いてこのディクテーションを取り入れる方は、
・教材のレベルが合ってるか
・目的を達成する段階にきているか
の2点をよーく注意して取り組んだ方がいいです。
過去の『しくじり英語学習法』のバックナンバーはコチラから。
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