以前教えていた子が英語の定期テストで満点を獲得した話をさせていただきます。
この子は、中学から英語を始めたので、最初はアルファベットも怪しいレベルでした。それが一年半くらいでクラスでも数少ない満点を取ったのですから快挙と言っていいと思います。
あえて、近年軽視される文法からアプローチ
最初はかなり苦労しました。というのも、
昔の教科書ではBe動詞の現在形をやって、代名詞の格変化から一般動詞の現在形に…といった文法メインの作りになっていたのに、最近はまず、Be動詞と一般動詞が混じった文章をいきなり教えるというやり方を取っているからです。
一年の一学期は、ホントに単語と英文を丸暗記させるだけという、僕から見るとかなり乱暴な教え方でした。
本人と話し合い、文法を交えながら教科書を読み解き、英単語を覚える方法に変えたわけですが、やっぱりそこは初学者だけあって、本人にも中々辛抱も多かったと思います。
やる気スイッチに火が付いた!
それが徐々に変わってきたのが一年の冬ぐらいから。
始めてある程度たって、英語をどう勉強すればいいかの目途がたったのでしょうか。この子がとにかく英単語をどん欲に覚え始めました。
僕も、「結局英語は単語と文法」と思っていますので、単語は教科書に載っているものを片っ端から覚えさせました。
一回で英単語2、30個を覚えて、その場で確認テストを繰り返すのです。文字通り、隅から隅まで徹底的に。
そうしたら、3学期に90点越え。本人の努力が見事に実を結びました。
1年の教科書を徹底的にやり尽くす!
鉄は熱いうちに打て!です。
学校の進度が遅くなった影響でテストに出なかったレッスンも、2年に上がる前にしっかり身に付けてもらおうと読んでいきました。最後の1レッスン分だけですが、1年でも最後の方は、かなりカッチリした英文を読ませます。
2年になると、そのレッスンを引き継ぐ形で教科書が始まるため、ここをやっていないとちょっと苦労するかも、と思ったからでした。同時に、春休みに1年間の復習もかねて、もう一度最初からざーーーっと読んでみました。
教え子はカッチリ文法と単語をやりこんだおかげでかなりスムーズに教科書を読めるようになりました。けれど、まだちょっと今ひとつ、天井を破れない状態が続きました。
というのも、学校のレベルに比べてテストの難易度が高すぎて、平均点が低く抑えられる傾向が続いたためです。
教え子は平均点は毎回、楽々クリアしていましたが、いまいち伸びが実感できない苦しい時期だったと思います。
それでも、僕の指導にグチ一つ言わないでついてきてくれました。これは、本当に感謝しています。根性がある子で、この子をきちんと仕上げなければ、それは僕が悪いと思うようになりました。
これまで以上に英単語と文法を覚えこみ、頭に叩き込むことを繰り返していくうちに、英語の勘どころが分かってきたらしく、単語を覚える速度がさらにスピードアップ。
しかし、英語がひと段落ついた一方で弱点の数学や国語にも時間を割かなくてはいけなくなり、英語は以前ほど時間を取れなくなっていました。そんな中でのテスト満点!
結果を聞いたこっちがビックリしましたさ!!
本人に詳しく話を聞いたところ、これまで高すぎた難易度を少し下げたようで、結構100点が出たそうです。これまで、学年に1人か2人くらいだったのが、クラスで1人2人出るようになったといいます。それでも、何十人かいるクラス中でトップクラスになったわけですから。
こりゃスゴイ!と言わざるをえません。
本人もスゴイ嬉しかったらしく、今まで見たこともないくらい明るい顔をしていましたよ。
メンタルのカベを破れた意義!
ところで難易度が下がったとはいえ、ここで満点を出したのはスゴイ意義があります。
というのも、人間のメンタルは予想以上に強くその人間を支配するからです。
100メートル走で10秒切ったら、9秒台が続出したのと同じ理屈です。
これまで、100点というものがあるということは知っていても、まさか自分が取れるとは思っていなかった場合、90点でよし、というメンタルができる。
それは、多少エラーが出ても仕方がないという心のゆるみを生み出すので、ある程度いくと天井を抜けられなくなってしまいます。
しかし、実際自分が100点をとっちゃった場合。
100点は取れるもの、ということが証明されると、一つ間違うのももったいなくなってくる。
そうすると、間違いをしないような心構えでテストに臨むことになります。そうすると、つまらないミスも減るから、さらに得点力が強化されるし、どんどん覚えようという意欲も出てきて、さらに力を付けていこうという向上心も出てきます。
それにしても人を教えるって、大変ですけど面白いですね。
自分のやらなきゃいけないことなら何でもないことでも、人にやらせるとなるとまず相手を動かさなければなりませんから。
ちなみに、この後日談がありまして…詳しくはこちらから。
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