この記事は、時々おススメ本としてリストアップされるダーウィンの『種の起源』を読みやすく攻略する方法を紹介します。
『種の起源』が面白くない!
堀紘一さんの『自分を変える読書術』を読んでいた時、
これからの社会、人間に大事なのはどんな本を読んできたかという「学<習>歴」だと言われ、そうだそうだと深く同意しました。
まぁ、もともと本好きが読む正当性を欲しかっただけ、ってこともあるのですが(苦笑)。
ところで、堀さんがこの本の中で特に強くおススメされてたのがダーウィンの『種の起源』でした。書名は聞いたことありますわね。いわゆる進化論のアレでしょ?位ですが。
なんにでも、影響を受けやすい私は早速岩波文庫版を購入しました。
しかし…つまんねぇ。全然面白くない!!
のっけから鳩の話ばっかが延々と続く展開に「イギリス人は鳩になんか特別な愛着か、憎しみでもあるんかな」と思うばかりで、結局読み切ることはありませんでした。
堀さんはなんでまた、こんな本を薦めたのだろう。
大体、ですよ。生物学はダーウィンが生きていた頃からもう随分と経過しています。
生前から最新の知見を織り込み改訂版を出していたようですが、岩波文庫版にはダーウィンが死んだ後の最近の知見は当然、入っていません。
もしかしたら間違っている知識を、ダーウィン教の信者であるがごとく一文一句をありがたがるほど、僕もアホではありません。
でも、です。堀紘一さんがそこまでほれ込んでいるなら、きっとインスピレーションを巻き起こす「何か」があるに違いない。知りたいなぁ…ってずーっとモヤモヤしていたわけです。
そんな時に、古本屋漁りをしていて見つけたのがこの本でした。
とりあえず購入して本の山の中に放り込んでおきました。休暇中、暇にまかせて読んでない本を整理していたらこれが出てきて、読みだしたら結構面白い。
ちゃんと現代の生物学者が進化論の意義と最新の情報を伝えてくれています。
進化論=弱肉強食は間違い
なにより、『種の起源』ってなんで重要な本なのか?が分かりました。
僕は、この本の真意を間違って考えていたのです。ダーウィンは説きます。
生物が生き残る原理は「弱肉強食」ではなく、たまたま環境に適応したものが生き残るのだ
以前読んだ本で、「ヒトラーのナチズムは種の起源を悪用し、『最も優秀なアーリア人種こそが、勝者となる』と主張した」って一文があったのですが、なるほどココのことだったのか!!
思わず膝をポン、と叩いちゃいました。
あと、適者生存こそが生き残りの戦略ならば、人間の生き残りに何が役立つのだろう、と関係ないことも考えるようになってきました。
動物は自分の生存を脅かされても「どっか、他にいいとこないかなぁ」と生活する場所を変えたり平気でしますよね。そうしないと死んじゃうならためらわずそうするでしょう。
人間だけだなぁ。もっといいとこあるかもしれないのに死ぬほど働いたり、勝手に絶望して自殺しちゃうの。
人間も生き物なんだから生存を脅かされたら、サッサと逃げるに限る。都落ちしたと落ち込む必要なんかない。環境が変わっただけなんだもん。
もしかしたら新天地に、それまで自分が気づいていないスキルがバチっとハマったりする場所もないとも言えないわけですし。
遊びが仕事になることもある
現に20年前、100円玉を積み重ねて熱中したゲーセンの対戦ゲームは「ただの遊び」でしたが今は「E-sports」って呼ばれて賞金で飯を食べるプロもいます。
たとえ今その分野が無くったって、みうらじゅんさんみたいに「ゆるキャラ」や「アウトドア般若心経」みたいに勝手に仕事にしちゃったら、いつかはホンモノになるかも分からないですしね。
ダーウィンが私の話を聞いたらハリセン持って「俺はそんなことは言ってない!」と突っ込み入れながら私をひっぱたくかもしれない、独創的すぎる解釈になってしまいました。
でもある本を読んでて全く違うところの回路につながる…っていうのは、読書ならではかもしれませんね。
【参考図書】
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