木村凌二『教養としての世界史の読み方』を読了!

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電車でコツコツ読んでいた、木村凌二さんの『教養としての世界史の読み方』を読了しました。

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素人の「歴史ネタ」じゃない、背骨の通った歴史が読みたい!!

ずーっと待ってる『いっきに学びなおす世界史』がいつまでたっても出ないので、とりあえず世界史の本をバラバラに読みなおしているんですが、

自分の好みでテーマ史が多くなってしまう傾向があります。

かといって、歴史好きのオジサンの「ホントにコレ、合ってるの?」っていうのもどうも手出したくない。

歴史雑学だったらブログで書くぐらいには持っているんで。

欲しいのは、テーマを研究してきた歴史学者が書いたちょっと骨のある世界史。

そんなわけで、どういうのがいいのかなと考えているうちに引っかかってきたのが本書、というわけです。

ローマ史をメインにしつつも、幅の広い書き方で面白い

著者はローマ史の専門家です。

古代ローマって、王政→共和政→帝政って形を変えながら、一番長く取ると2000年以上の歴史がある。

ローマ市民にしても、純粋なラテン人からアフリカ系、辺境のガリア人まで広がって、

拝んだ神様もキリスト教化の前は、他民族の神様も吸収し、ドンドコ増えていました。

なもんで、そこで起こることのバラエティの幅が世界史全体の縮図みたいになってるんです。

さらにローマ史をやっていると、自然ローマに影響を与えた古代ギリシャにも話が広がる。

さらに言えば、現代のヨーロッパやアメリカ合衆国というのは、ギリシャやローマを自分たちのルーツとして考えてるんで、歴史を勉強するうえで実に「使い勝手がいい」んです。

水を有効に使う努力が「文明」を生む、にナルホド!?と思う

一方でこの本だと、専門であるローマを核にしながらも、結構広い範囲で書いてくれるのがありがたいです。

例えば、文明とはどんなところに栄えるか?についてとかは

「限られた水資源を上手に使う必要があるところに発展する」という視点は驚きつつも、そうだなと。

古代エジプトって、ナイル川って大河のほとりで発達したけど、

氾濫の時に、上流から運ばれた栄養豊富な土によって、豊かな実りを得ていました。

そうすると、ナイル川はいつ氾濫するか、水位チェックしたり、暦を作ったり、

氾濫期にはピラミッド作って、暇をしている農民を働かせ、食わせるようなこともするわけです。

ローマもそんなに水の豊富な場所じゃないから、遠くの水源からわざわざ水を引く。

水道橋なんかも立てたりして。マンパワーと技術を集中しないと、そんなことできませんわな。

一方で日本は水が潤沢で、水源の取り合いをあまりしなくていいから、縄文「文化」はあっても文明までいかなかったんだよ、と言われると、あ、そうかと。

現代は過去に直接つながっている、にはホント納得

この本は歴史は現代に直接つながってくるもの、という考え方があって

宗教や民族の移動なんかも、現代の事象を引き寄せながら歴史を照らし合わせています。

宗教なんか、マジそうですよね。

私も、昔NHKで放送した『映像の世紀』が大好きで、なぜかというと今の出来事に直接つながる面白さをかんじたからなんですが

歴史は近い、遠いに関係なく、今の時代がなぜ出来上がったかが分かるし、

事象を比べると今の見方が随分変わるなぁ…と。

大変面白い本なんで、教科書みたいに事実の羅列じゃなく、どういう風に歴史を見るか?って視点が欲しい人には、ぜひおすすめしたい一冊ですね。

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