先週は奥野修司の『皇室財産』という本を読んでいました。
この本は、極秘資料として残されていた戦前、戦後の予算資料を読み解いて、
昭和天皇の時代の皇室の財産がどうなっていたか?ということを読み解いた、他にちょっとない一冊です。
私はこのブログで度々紹介しているように、昭和天皇大好き人間ですから、関連書籍を見つけると読み漁っています。
Twitterでも、書籍で読んで面白いと感じたら、即つぶやいちゃうような天皇好きなんでフォロワーさんにも喜ばれている模様。
そんな中で、同好の士である本好きの方から、こういう本がある、と勧められたのがこの本でした。
超絶金持ちな、戦前の皇室
読んでみて、やっぱりというか…想像を絶したのは
戦前の皇室の半端ない金持ちっぷり!最初に読んでイメージしたのが小林よしのりの『おぼっちゃまくん』の御坊家みたいな…
・関東一都六県の広さを持つ山林
・銀行、郵船会社、植民地経営にかかわる会社などの株式
といった資産が年々増強され、しかも皇室の財産は国家の介入を受けない独立したものだったと。
山、っていうと今の人だと「ソロキャンプに便利」でしょうが、当時なら材木なんて飛ぶように売れた時代ですから、まさに打ち出の小づち。
株式は驚くことに購入するより「もらう」ケースが多かったそうで、その理由は
「皇室に持っててもらうと、会社の名前に箔が付くから」
それも大正バブルの時代に配当金をじゃんじゃかもたらし、皇室を潤してきたと言います。
職員も、公務員ではなく天皇の雇った「召使い」
で、そこから上がった収益で、職員を雇い。主に投資活動の事業を行いさらに規模を大きくしていきます。
「投資会社」ですよね。
昭憲皇太后がお金を出して国際赤十字に基金を設立したり
関東大震災の時とか、お見舞金を出したりといった用途に、これらの収益をプールして使っていたりと、お金を贈っていたりします。
著者が書くように「皇室は贈答文化である」ということですね。
天皇自体はほとんど、贅沢はしなかったのが一般企業のオーナーとは違うっちゃ、違うところですが。
また、人員もすごいもの。
戦前の宮内省は先ほども話した通り、膨大な山林や、鉱山なども持っていたようなんで
そこで働く人はみんな宮内省職員
なので、宮内省の正規の雇用を受けた職員だけでも5000人という大企業並みの組織でした。
戦後は政府予算でまかなう
戦後は、GHQの方針で財産税の支払いのため、ほとんどの財産を放出して
政府予算の中から皇室の運営を行う形に切り替わりました。
そんなわけで、現在手元に残るのは美術品とか文化財とかなんですが、
これも代替わりの相続税の際に物納されるので、順次国有財産に繰り込まれることになりそうです。
ただ、戦前も莫大な富を下賜というかたちでみんなに贈って「権威の維持」に用いるために使っていたので、
普段の生活は質素なのは、相変わらず。
一般庶民と違って、映画館にも行けないですから、映画は一本当たりいくらで借りてきて、皇居で上映するといったことをしていますし
専門の生物学の書籍にしても、外国の本だと随分高いのですが、その程度。
オーバーなんか、一着を18年着たり、ボロボロのスリッパを買い替えようとすると「まだ使えるから」と許可しなかったり。
お風呂嫌いの昭和天皇という小ネタも…
で、そんな戦後の家計簿を見ていると、うっすらと出てくるのが
昭和天皇のお風呂嫌い。
戦後ご巡幸の時、「二、三日風呂に入れなくても構わぬ」と言ってたけど
普段からそうでなくてもお風呂はあんまり好きではなくて、
四の五の理由を付けては、入浴日を先延ばししていたご様子。
だから、一年に使う量が髪形をカッチリ固めるチックやヘアトニックに比べると、オイルシャンプーの数が少なかったりします。
そういった小ネタも結構拾えたので、面白い一冊でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事が面白かったらTwitterリツイートやシェアボタンでの応援よろしくお願いいたします。
コメント