マスク投げ売りから「需要と供給」を考えよう!

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この記事では中学校で習った「需要と供給」について、今年問題になったマスク不足にからめて説明します。

マスクの品薄は布マスク配布でだいぶ和らいだと見えて、ネットでは街中で投げ売り状態になっているとか。転売ヤーざまーみろ!というのはさておき、彼らの行動が価格決定にどう作用したか、を冷静かつ客観的に検証説明したいと思います。

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需要と供給が価格を決定する

まず、需要と供給がどのようにモノの値段を上げ下げするかを考えましょう。

どんな商品にもそれを欲しいと思う人(需要)と売ろうとする人(供給)がいます。

当然ですが、欲しい人はできるだけ安く、

売る側はできるだけ高く売りたい。

そうやってお互いすこーしずつ妥協しあって、近づくときに、ちょうど価格が釣り合うポイントに行く。

需要供給曲線の図(Wikipediaより)

この価格は一定ではなくて、もし商品が品薄なら買う側が「多少高くても買わなきゃ」となり、

だぶついてたら、売る側が「安くしなきゃ売れない!」と値段を下げます。

これが需要と供給が生む価格決定の大まかなメカニズムです。

元々、ひと箱数百円のマスクなのに…

元々マスクは日用品であり、価格は比較的安定しています。

一つ数千円のブランドものマスク、という差別化もしづらい商品です。

ところが今年2月あたりから、中国人によるマスク買い占めが始まったあと

不織布マスクは一気に店頭からなくなりました。

そのあと、日本でも新型コロナウイルスの報道が過熱するに従い、マスクの需要が爆発的に増加しました。そのあとすぐ、花粉症のシーズンも近づきます。

供給は十分にあったものの、マスコミの過熱報道で、入荷したマスクを客が争って奪う状態になり一時的に「供給」が機能不全になりました。

その一方でオークションサイトには品薄なはずの不織布マスクがとんでもない値段で取引される事態に。

これなどは、まさに供給側(メーカーではなく、転売ヤー)が圧倒的に強くなったことで起こった現象なのです。

供給側も必死に生産しますが、医療機関や介護福祉に回す分を取りおいて、残りを回しても情報に振りまわされる人やまだ持ってない人がいる状態で、事実上自由競争のオークションでマスクを売ったら、欲しがる人があきらめるまで値段が跳ね上がることになるのです。

元々はひと箱数百円のマスク、それが数千円で取引されるなんて、尋常ではありません。

転売禁止で一変、アベノマスクがとどめ!

政府ももちろん、こういう日常生活を侵害する商行為は黙っていません。

マスクの高額転売を禁止してから、明らかに流れが変わりました。もっと儲かると思うから買い占めるので、もし売れなかったらただバカみたいにマスクを買っただけですからね。

そしてとどめが、アベノマスク配布決定。

布でも不織布でも、口元と鼻を覆えばコロナに対して有効なので、ただでもらえる一世帯2枚のマスクでも、不織布マスクの需要を補完するのに十分だったわけです。

不織布マスクもちょぼちょぼですが、店頭に出るようになってきました。個数制限も行われ、不安な人がバカ買いすることも減り、欲しい人が欲張らなければ少しずついきわたるようになります。

転売者は少しでもお金に戻すべく、以前より安くは売り出すものの

不織布マスク派もとりあえず当面分は手当できたし、

私みたいな人間だと「アベノマスクで充分だい!」となり

バカ高い値段で買うのはバカらしい…と見向きもされなくなりました。

これは、機能不全だった「供給」が行政の措置や生産者の努力で改善される一方

不安に駆られて底上げされた「需要」も落ち着いたことで、

高値を釣り上げてきた転売ヤーたちが排除され、本来の定価に落ち着いてきたということになります。

とまぁ、一応説明しましたが、この記事を書いたのは…

転売ヤーども、ざまーみろ!!

…と思っただけなんですけどね。

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