昔から電車で本を読むのが好きで、自分の中では最高の読書時間だと思っています。
電車で読書の習慣がついたのは、大学時代の話。
今はスマートフォンがあるので、もっぱらスマホをいじっていることが多いのですが
20年前には、そんな便利なものはありませんでしたので、乗客も新聞や、本、雑誌を読んでいる人が結構多かったですね。
私も、お金がそんなにない貧乏学生でしたから、神保町の古本屋で紙袋一杯分の本を買い込んで、片っ端から読んでいる時期がありました。大学に通う時は往復3時間くらいを読書に充てられる。
加えて、あのガタンゴトンという音も、リズム感がいい。
F分の1の揺らぎ、というそうですが、本の世界にすーーーーっと入っていけるんです。
そうすると、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』も2週間かからずに読めちゃうんですよね…。
電車で読むという行為は最近も続けていまして…昨年も『いっきに学びなおす日本史』を通勤電車内をメインに2か月かけて通読したりしていました。
全部で1200ページを超える内容なんで、「一年くらいかかるかな」と思っていたのですが案外捗ったな、と思います。
現在読んでいるのは、山本周五郎さんの『赤ひげ診療譚』です。
山本周五郎さんは、私が愛読している池波正太郎さんよりも、さらに前の時代の作家さんで、大変な人気を博していました。
この本は、江戸時代に小石川養生所の医長だった「赤ひげ」新出去定と、長崎帰りのエリート医学生、安本登が、病気に苦しむ人々によりそう日々を描いた作品です。
黒澤明監督が『赤ひげ』というタイトルで映画を製作したのも有名な話。
私なんか、この『赤ひげ』見るたびにボロボロ泣いちゃうくらい好きです。
まぁ、どうでもいいことですけどね。
ところで、この『赤ひげ診療譚』。
初版が昭和34年です。
あの長嶋茂雄さんが「栄光の巨人軍」に入団したのが昭和33年。その位の時期の作品ということで、普通に読めなかったり、意味が分からないものも時々出てきます。
昔だったら、電車で辞書出すわけにもいかないから適当に読んでましたけど、
最近は、スマートフォンで検索しています。
文明の利器は使ってなんぼですからね。
だから、本の中で
”着流しにひらぐけをしめ、麻裏をはいていた”なんてあると
「ひらぐけ」を検索して「ああ、お祭りの時のあの帯か!?」とイメージし
「麻裏」を検索して「へえ、結構手の込んだモノ履いているな」などと感心する。
昔、灘高校では中勘助の『銀の匙』をひたすら丁寧に読み、作中の遊びや駄菓子までを実際に遊んだり、食べたりする授業があったそうですが、
文字の羅列をしかめっ面して読むより、色んな知識を引っ張り出して具体的に頭の中に絵を書いていくと、これが何時間でも楽しめるんですよ、不思議なことに。
ただ、コレをやると周りからえらく気ぜわしい風に見えるかもしれませんが(苦笑)
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