この記事では、佐藤優さんの『人たらしの流儀』を紹介します。
ビジネスでの人との付き合い方はどうすればいいかで悩んでいる人って結構多いんじゃないでしょうか?
どのように人に近づき、関係を深めていくかなどで悩む人にとっては結構目から鱗の話が多いかと思います。
人たらしとは?そして著者の佐藤優さんとは?
常に人の中心にいて、主に上司や先輩などを中心に人から可愛がられていることを
「人たらし」と呼ぶことが多いでしょう。
コミュニケーションをとるのが上手で、多くの人から好かれている人という意味で用いられています。
そして、著者の佐藤優さんは外務省職員として、北方領土交渉などで活躍した元外務省主任分析官。
当時のソ連、ロシアで重要人物の懐に飛び込み、情報を取ったりする仕事に従事していました。
その中には他の人には中々近づけない超VIPもいて、まさに「人たらし」の典型と言ってもいいと思います。
外交のゲームでは嘘をついてはいけない
読んでて意外だったのは「たとえ敵である外交相手といえど、決して嘘をついてはいけない」という情報屋のルール。
なぜなら「嘘までつくとルールが複雑になりすぎるから」とのこと。
その代わりに出るのが相手に誤解させる技術。
例えば、ジャンケンにたとえると…
グーよりパーが強く、パーよりチョキが強いとだけ伝えて、
おっと…チョキよりグーが強かった…とやる方法。
ずるっけーの!?と思うけど、相手に聞かれたら答えていいとのこと。
つまり「聞かない奴がバカ」となると…なるほどなぁ。
『天に宝を積む』感覚
どんな人間でも、魅力的な人に対して好意的になるもの。
では、人間的な魅力を磨くためには何をするか?
佐藤さんは端的に「儲けたゼニを他人にばらまく意志があるか」と定義します。
金持ちならば2割、そうでない人は5%くらいでも、身銭を切って人に使うことはその人の奥の深さを増してくれる…と。
なんとなく、そーかなと思う反面、わたしにはこの人がイメージしてしまいました。
あ、そうか…この人の場合は下心ミエミエ。他意なく人にカネをばらまいたり…というわけではなかったか。
全ての人に値札がある
面白いのは、何かの利益を与えるにしても、「相場」があるという話。
例えば、飲食店でアルバイトをしてる女の子から「とあるロシア人がいつ、どんな時に来るのか」と話を聞くとき
どんな物をおごったらいいのか?
答えは「高級レストランに連れていくよりもファミレスで一番高いものをご馳走する」
お礼も三千円とか五千円くらい、と…
高けりゃいい!ってもんでもないことを話すあたりはさすがだなぁ…と。
相手に負荷をかける高いものは逆に失敗するから避けろと。
確かに、自分にとって高すぎるオゴリは「ちょっと怖い」と感じてしまいます。
以前、大宮で一番高い料金を取るクラブに行ったのですが、あんまり高級感が漂い過ぎてて、酒の味もロクに分からなかったなぁ、と自分に寄せて考えてしまいました。
この辺は人のキビに触れてて面白いなと思いましたね。
対談なんで分かりやすい!
佐藤優さんの本って、小難しい表現を使うので、とっつきにくいという人もいます。
でもこの本は大丈夫!
聞き手は凄腕編集者の小嶺隆生さんで、固くなりがちな佐藤さんの話をよーくほぐして分かりやすく引き出しているから。
この辺はさすがだな、と思います。
そのほかに、佐藤さんの超速読(一冊の本を2分半で読む)とか、
婚活についての考察(結婚を就職とつなげる発想の落とし穴)など
ページをめくるたびに面白いなぁ…という話が多いので、コレはオススメです。
興味のある人はぜひ、ご一読を!!
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