この前、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さんを死亡させたとして、元奥さんが逮捕されました。
放っておけば莫大な遺産が転がり込むのにねぇ…と感じた私ですが、
その一方で「この野崎さんて、どんな人だろ?」と野崎幸助氏そのものに興味を持って
彼の著書『紀州のドン・ファン』を読んでみた次第です。
気持ちいいくらい自分の欲望に正直な人
私、最初は若くてキレイな女の子に札びら叩いて好きにする、ヒヒオヤジ的なイメージを持ってました。
まぁ、本人が否定してないし。
ただ、本を読んでると意外というか、そんなにドン引きするような人間でもないなぁと思ったんですよね。
「色んな美人とエッチしたい!」という一心で、
商売を始め、そこでの儲けを足掛かりに巨万の富を築いたとのこと。
すごい気持ち悪い、という人もいるでしょうが私は「この人正直だな」と好感を持ちましたね。
ドン・ファンの蓄財術はオーソドックス
ところで、彼の富は腕で稼ぎ出したものと、それを元手にした投資の賜物だと分かります。
コレが結構オーソドックスで、面白い。
ちょっとまとめてみると…
「ニッチな3K」仕事で稼ぐ
彼はある日、肥溜めに落ちてた避妊具を見て「子どもは要らんが、エッチはしたい!という人がいる」と解釈。
しかし当時は自販機もないし、ましてコンビニもない。つまり避妊具は買いにくい。
そこに目をつけて、避妊具を仕入れ、顧客に直接商うことを思いつきます。
しかも、その際「実演販売」までして売り込む。
どんな商売でもそうですが、「見栄えする」仕事は競争率が高い。
「実演販売」にしたって美人が誘うパターンなんてなく、むしろというか当然というか、逆パターンが多かったようです。
今でいう3K仕事ですが、こういう所って競争相手がいない。
また、今みたいに手軽に相手が見つかる世の中でもないし、避妊具は手軽に手に入らないという時代でしたから。
学歴もなく、家が裕福でもない人間が徒手空拳、身一つで稼ぐにはもってこいの仕事だったようですね。
収入源を一つにせず働いて稼いだ金を投資して「お金を働かせる」
避妊具売りで当時、サラリーマンの3倍稼いだ野崎さんは
ビジネスの相談に乗ってもらってた先輩から、
「金融業者に金を貸す」金主の誘いを受けます。
人間が身一つで働いたってたかが知れてる
しかし、稼ぎを無駄遣いせず、「金を回して金を稼ぐ」ということになると、お金は寝てる間もせっせと働いて、また金を稼ぎますからね。
投資はフローで考える。一攫千金狙いのFXはもってのほか
そして「投資は幅広くやってリスク分散」の考え方から、金主だけでなく、株投資も行います。
ただ彼のスタンスは、株価の値上がり益(キャピタル・ゲイン)を狙いに行くのではなく、
優良株を買って、配当益(インカム・ゲイン)を狙う非常に手堅いやり方でした。
優良株に投資して配当を受け取る。財産の投資リスクを分散させるため、株にも投資しているのだと考えるくらいがちょうどいいのではないでしょうか(130ページ)
為替を使ったFXについても述べていますが、「損をする確率が高い」とバッサリ言っています。
やはり儲かるのは「お金を貸す」こと
避妊具販売も社会の変化で儲からなくなって来た時、この事業を彼はスパッとやめちゃって、
「金貸しに金を貸す」金主の立場から「金を貸す」金融業に転身します。
さらに和歌山から東京に進出。
貸す相手は一流企業の社員や公務員などで、今の立場を失いたくないから、ちゃんと借金を返す人をターゲットに貸し付けを行います。
それでも、たまに返済しなかったり、バックれたりする人が出るのは難しいところですね。
本の中で紹介されてる「息子の医大の学費三千万」の案件にしても、固い商売であることを考えるだけでなく、その医者の評判まで調べ上げた上で融資を決めています。
「人を見る目があれば、一番儲かるのは金貸し」とは言いますが、言うは易しとはよくいったものです。
好きなことして生きたんだから、幸せだったんでしょう
まぁ、最期は残念でしたけど、本人結構幸せだったんでしょうね。
私からすると、自分の欲望に忠実で、あくまで「カネを使って」モテようとしたんだから。
必死に稼いだ金を使い、自分の欲望を叶えたってことは当人同士の合意もあるし、
非難される筋合いじゃない。ただ、あまり羨ましくないなぁ。
ただ、金を稼ぐ根性は読んでてスゴイ。私にはあんまりお金に縁がないのって、
ドン・ファンみたいな執念が足りなかったからだろうな、と思います。
【ジジイになってからお金のことで苦労したくないブログ主のゼニ事情】
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