幕末の武士が飯を食う話『ブシメシ』を読み直す

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最近、コンビニを覗いていたら、土山しげる先生の遺作となった『ブシメシ!』が売ってました。

昔、好きだったんですよね土山しげる先生。

カツ丼をグワッシグワッシと、食欲全開で貪り食うような満腹中枢ぶっ壊れ状態の絵柄で、しかもそれがまた美味しそうに描かれる。

『喰いしん坊!』という大食いの話なんかは、プロレスみたいでド派手でケレン味がいっぱいで、毎週漫画ゴラクを楽しみにしていたくらいハマってました。

が、その後『大食い甲子園』『邪道』とだんだん長い話の途中で息切れ起こすように話がつまらなくなるパターンが続いて、2018年には土山先生がお亡くなりになってしまいました。

ただ、一話完結とかだと、結構昔のような非常識一歩手前のぶっ壊れモードをすてて、ゆるーい一話完結を描くようになると、なんか味があって良かった。

久しぶりに、こういう一冊もいいだろうと買って読んだら、結構面白い。

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血沸き肉踊らない、サラリーマンみたいな武士が舌鼓を打つ

舞台は幕末。万延元(1860)年から。

1853年にはペリーが日本に来てますから、幕府の屋台骨がグラグラ揺れ始めていたはずです。

和歌山藩士だった酒井伴四郎は、叔父と共に江戸勤番…今でいう単身赴任で江戸に来ます。

今の大河ドラマ『青天を衝け』なんかも似た時代ですな。

ところが、この酒井さん、全然激動の時代に生きている気がしない。日々の仕事をこなしながら、酒を飲み過ぎたとか、昼寝をしてたら風邪を引いたとか

たまに起きる事件と言ったら、女の人と時間制限でお付き合いしたら、お金をたくさん払わされたとか…

幕末なのに日々これ、平穏なんです。

私のように『竜馬がゆく』とか『燃えよ剣』とかの熱いドラマに胸をときめかせた人間としては、まぁゆる~い毎日であります。

しかし、とにかく飯が美味しそう

実は、この酒井伴四郎、実在の人物で断片的ですが日記を残しています。

その中でのお話をつなぎ合わせて食べ物エピソードに絡めてかたるのが、この『ブシメシ!』の話。そして、美味そうに飯を食う描写をさせたら、故土山先生は絶品の腕なんです

そんなわけで、酒井伴四郎の目を借りて、当時の美味しいもの(たまにマズいモノ)を追体験しているだけで面白いんです。

叔父さんがポンコツでおかしい!

あと、このマンガで登場する酒井の叔父、宇治田平蔵が年のクセに食いしん坊で腹を壊したりすることしょっちゅう。

呆れるのが、後半甥っ子の懐をたかって、祇園に行って三日連続祇園豆腐を食ったら、おなかを壊したり…ひどいのは酒井が作り置きしていたニンジンの煮たのを勝手に開けて食べちゃったり。

なんつーか、畑を食い荒らすイノシシのような存在だったりします。

困った人です。なんつー威厳のない、ポンコツおじさんなんだ!?と。

また、他の人物も岡場所に出かけたり、鍋を囲んだり、公方様の鷹の餌(ハト)を失敬してみんなでコッソリ食べたり…と、まぁそれぞれがそれなりにゆる~い毎日を繰り広げるのです。

『武士の家計簿』の主人公と「多分」逆パターンで、でもそこがいい!

さて、日記は幕末で終わっているので、酒井さんが明治時代をどのように生きたかは定かではありません。

同じ幕末の武士の暮らしを描いた本としては、磯田道史さんの『武士の家計簿』の猪山直之が浮かぶのですが、

維新前は「そろばん侍」と軽んじられたものの、その計算能力を買われて大出世した猪山さんと違い、礼服(和服)のコーディネートをする(洋服になったら役に立たなくなる技能)以外には、作中で取り立てて実務に優れていたようには思えない酒井さんですから、まぁ平凡に生きたんだと思います。

ただ、私も昔は出世物語の主人公のような、ドンドン時代に乗ってブイブイ言わす将来を夢見ていたものの、今はまぁお察しの平凡な人生ですので

人のこと笑えた義理じゃないわな(苦笑)。それよりも日々の仕事をこなしながら、少ないお小遣いを使って外食したらまずかったとか、役得で美味しいものを「美味い美味い」と頂くくだりとか

小市民っぽい平凡さが面白く感じる、今日この頃なのです。

【料理マンガなら、こんな↓作品もおすすめですよ】

 

 

 

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活字中毒歴30年超。どんなことでも面白いと思ったらやっちゃう性格でそれが今の仕事でも結構活きています。
年間50冊くらいの読書に加え今ハマっていることは中学校英語のやり直しとブログ執筆。
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