この記事では、電子書籍の『高嶋ひでたけインタビュー佐藤優が語る。』が読んでてとても面白かったのでご紹介します。
お二人は以前、やはりニッポン放送の『あさラジ』でもメインパーソナリティとコメンテーターとして、世の中の出来事を深層まで解説、好評を博していました。
ラジオでの解説が一番シックリくる
佐藤優さんは2002年のいわゆる「ムネオ疑惑」で逮捕され、有罪判決を受けました。その間に自身のことを書いた『国家の罠』で作家デビューします。
以来雑誌や新聞などで数多くの連載を抱えつつ、モーレツな勢いで本を出版。それに加えて、灘高や浦和高校、同志社大学などでも教鞭を取るなど、多彩な活躍をしています。
中でも私が個人的に思い入れがあるのがラジオで、今でも定期的にラジオ出演しては、他の人とは一味違う切り口から「なるほど」と唸らせる解説をしています。
ラジオだと、パーソナリティとの掛け合いもあり、その呼吸からどうすれば伝わるかを感じ取る様子。
一方のパーソナリティはベテランアナウンサーが務めることが多く、佐藤優さんの多彩な知識の引き出しを上手にアシストしてくれる。
そんなわけで、私はラジオ出演の時の佐藤さんの解説は、なるべく聴くようにしています。
高嶋さんが引き出す「佐藤優像」がそのまま彼のパーソナリティを表す面白さ
この本も、かつてタッグを組んだ高嶋さんのラブコールに答えることで実現したものです。
それも深夜帯、早朝の3〜5時の2時間、2人が語り合うという。
それを全文文字起こしし、さらに、そこから佐藤優さんの著作の紹介も混ぜている。
長年培った阿吽の呼吸なんでしょう。
高嶋さんのナビゲートに引っ張られるように、「佐藤優のできるまで」や、「国際ニュースの解説」「官僚組織の本質」や、「友情について」など、いくつかのテーマで佐藤さんが話すのがものすごく面白い。
「生い立ちから最近の世界情勢まで、すべて語り尽くす」というコピーが伊達ではないほどで、
私が持つ、人間佐藤優の面白さ、素晴らしさが上手く描ききれている気がします。
個人的なオススメポイント
私の個人的なオススメ、というと佐藤さんの高校時代の親友、豊島昭彦さんとのエピソードです。
高校で友達だったけど、その後接点はなく、つい最近付き合いが復活した友達、豊島昭彦さん。
しかし、彼は末期のガンと診断されるんです。佐藤さんは豊島さんに「君の本を作ろう。君がどのように生きたか証を残すんだ」と説得。
それが実を結んだのが『友情について』という本なんです。
私、昨年出版された時、すぐ読んで、どんな困難に遭おうとも、粘り強く道を切り開く豊島昭彦さんの態度に感動したのですが、
今回を読んで、『友情について』のよりディープで、豊島さんが伝えたかったことがよりよく分かりました。
会社では、ひたすら誠実に粘り強く生きてきた反面、家族に対してはその分、思いを伝えきれなかったという豊島さんのエピソード。混濁した意識の中で、家族へのメッセージを佐藤さんが伝える件は、『友情について』を読んだ時の感動が突然蘇って、
涙が止まらなくなりました。
この後日談が読めただけで、本当に良かったと思ってます。
佐藤優さん、という人間を知るのに最適な一冊
この本は、インタビュー形式であることに加えて、
それぞれの内容に参考文献がついてて、好きな話題を深められるように構成されています。
世界情勢を冷静に腑分けする頭脳と、固い信念と熱い心に裏打ちされたスピリット。
この2つが同居する佐藤優という人間を大掴みするのに、この一冊、中々便利だと思います。
Kindleのみの販売ですが、サクッと読めるのでぜひオススメしたいと思います。
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