以前も触れた事ですが、大学生の時「1日1冊本を読む」事を最低のノルマとしていました。
元々僕は怠け者で、感心しない失敗はそれこそ山ほどあるのですが、とにかく1600冊の本を力業で読んだことは素直に褒めてやりたいと思っています。
では、若い時に本を読む習慣をつける事はどんな意味があるのでしょうか?その辺を考えてみたいと思います。
自分だけのために使える時間を「読書」に全振り
そういえば若い頃読んでいたのは
大薮春彦や大沢在昌のハードボイルド小説とか、落合信彦の自己啓発の本でした。
ご存知の方が見てみれば大変偏ったチョイスなのですが、好みって変わってくるようです。今はほとんど読まないし、たまに目を通すと「随分乱暴な書き方だなぁ…」と思います。
落合信彦なんてデタラメなことが多いし、UFOだナチスだ、CIAだと陰謀論か!?とツッコミを入れたくなる。大薮春彦なんて、バカみたいに飯食ってバカみたいに犯罪をする。今読んだらギャグそのものです。
それでも、今考えるとそういう本込みで私の人生が出来上がっているわけで。
あほなものばかりでなく、司馬遼太郎や、宮本輝、藤原伊織、フランクルの『夜と霧』とかギボンの『ローマ帝国衰亡史』、カミュの『ペスト』やカフカの『変身』、シュペングラー『西洋の没落』、孫子や菜根譚といったもの、岩波新書も結構読んでいました。
ちょうど、先日亡くなった野村克也さんが阪神に行った頃だったから野村克也さんの『ノムダス』や現役時代のことを描いた『球界に咲いた月見草』など
果ては天下の奇書『我が秘密の生涯』(これがなぜか、部室にあった)を読んだりと、まさにメチャクチャ。
ただ今から振り返ると、4年間の大学生活は自分の時間を自分のためだけに使える最後のチャンスでした。
そんな時代に、まぁ好き嫌いせずに色々読んできたな、と思います。
読書のメリット①読書する体力がつく
苦手な方は「本を読むのがおっくう」という事が多いですね。
どんな事でもそうなんですけど読書も慣れの要素が大きい。
時間をある程度自分に振り向けられるうちに、その慣れを体得しておくと、社会人になって忙しくても本を読もうかという気になります。
私は新聞記者だから本を読むか、というとそうでもない。後輩で「時間がない」とスマホをいじりながら答えた奴がいましたが、こいつアホか?と呆れました。
私はカバンに本の2、3冊は携帯して、スキマ時間に読むということを続けています。その癖をつけていたので今でも本を手放すことはありません。
読書のメリット②後で自分の成長が分かる
肉体の成長はだいぶ昔に終わりましたが
昔読んだ本を再度手に取ると、文面から受ける印象がビックリするほど変わる時があります。
本の方は変わる事は無いんですから、読み手である僕が変わったという事ですね。
例えば中学の時、宗田理さんの『ぼくらの七日間戦争』が好きでしたが、
つい最近読み直したら主人公の親より自分が年上になっていました。
昔は親側の方はほとんど興味がなかったのです。単純に主人公たちが大人を翻弄する様子を面白がっていたと思います。
今読んだら主人公たちがやってたことって、ただの秘密基地ごっこですよ。子どもに向き合ってない連中ほど、それが分からない。
子どもたちが廃工場に立て篭もったことにも、親の方が「なんか意味(親や社会に対する反抗とか)があるんじゃないか」と勝手に思ったり、
自分の若い頃をスポッと忘れて「不良行為だ」と断言してたりしているんですよね。で、その大人たちも私よりも若かったり、同世代だったりする。
ある程度自分の道が固まった時に、これから道が固まる子どもを持ってたら、それなりに分別ある(だろう)人間でも、ここまでモノが見えなくなるかと…
読書のメリット③案外、フェアな思考がつく
ネットだと用語検索がフィルターとなってしまうので、見たい意見ばかりが続々と出てきます。
それを読んでいるうちに、自分の意見が絶対に正しいと頭が固まってしまう時があります。
経験上、単なる無知より偏った考えで凝り固まることの方がヤバい。最悪、人生を台無しにしますね。
ネットなんか黎明期だった大学生の時、学生運動を拗らせて40歳になっても社会に出ず専従の活動家になってた人がいましたが、小難しい言葉を使う割に、思考が単純で乱暴。
今42歳の私から見ても幼い。どいつもこいつも図体がデカいだけのアホでした。
【参考記事】
読書はひたすら文章を読んで、著者の話を受け入れる姿勢が必要です。
中には「これはなぁ…」と思うものもありますが、そんなものも一応頭に入れておく。1つの見方だけでなく、幅広い視野を持ちそれぞれを理解していくことになります。
実体験だと上記の活動家のようにやり直しは効きませんが、読書を通して代理経験を積む分には本代以外はノーリスクで色んなことを学べます。
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