Twitterで様々なやり取りをしていくうちに、似た者同士が集まってくるのはよくある話です。
私も本を読んでブログを書いている位ですから、やっぱり本好きが多く集まってくる。
そんなみんなで週一回、Twitterのスペース機能を使って『ネット朗読会』を楽しんでいます。
ネット朗読会の内容
スペース機能は、文字を入力するのではなく、スペースを作って入って来た人と会話を楽しむもので、今のところスマホ限定で使える機能のようです。
あるフォロワーさんが「小学生に読み聞かせボランティアをしているので、読み方のアドバイスをしてほしい」という趣旨のスペースに呼んでくれて参加したところ
「人の朗読を聞くのは新鮮」「みんなの前で読むのは面白そうだな」と感じて、読むものを持ち寄って朗読する会になってきました。
朗読する内容はどんなものでも良くて、発起人はずっと、読み聞かせに使う絵本を読んでいますし
マンガをどうやって音声だけで伝えるか?といったテーマで「孤独のグルメ」の読み聞かせにチャレンジする人もいました。
また、好きな詩や、短編を朗読したりするのも聞いてて楽しい。
一つの小説を少しずつ読み進める人もいますし、私のように、様々な本から特に好きな部分を読み上げる人もおります。
つまりは、みんながそれぞれ、自分が「人に聞かせたい」というテーマで毎週交流しているわけです。
書評を読むより、作品の魅力が伝わる
考えてみれば、人が朗読するのを聞く、という体験は
子どもの時以来ついぞ久しくやっておりませんでした。本なんかは黙読でカツ丼をかっこむがごとく読むのが最高という「読書カツ丼理論」の信奉者でしたし。
ところが、聞くという行為、コレが中々奥深い。
知らない作品であれば「この作家さんいいな」「作品面白そうだな」と興味をそそられますし、
知っている作品なら「あそこをこう読むのか」と他の人が違った読み方をしていることが
声音を聞いていると鮮明に分かります。
感じ方も、見方も違う…その違いが実に新鮮で、刺激的ですらありますね。
人に向けて読む…自分の読み方に驚くことも
そして、朗読会のもっとも面白いのは、声に出して読んでいると、
黙読よりもより、情景が頭に浮かんで、その文章をさらに深く楽しめるところですね。
私は、何冊かお気に入りがあって、それを次の朗読会に…と試しに「自習」したりしますが、時々感極まって、うまく読めなかったりすることもシバシバです。
そうなると、一人で盛り上がって相手に伝わらないんじゃないか、と考えて
「どうやったらココを感極まらずにして、相手に良さを伝えられるか」をあれこれ考えます。
そういう、人に伝えるための読み方というのが、一人で黙って読むよりもよほど難しい。
だけれど、面白い場面に面白かったと反応してもらったり、
この文章いいな、心地いいというものが相手に伝わると、これが実に快感なんです。
そして、主催者がスペースを録音しているので、それを聞き直すと、思ったほどうまくいってなくて
ビックリすることもあります。
スペースで「読み聞かせ」をしている他のメンバーの腕も徐々に上がってきて、開催してるとリスナーも集まるようになってきました。
何よりみんなが楽しんでいるのが、声を聴いてて伝わってくる。それがまた、温かい雰囲気で居心地がいいんですよね。
私の読んできた本はこんな感じ
ちなみに、私が今まで読んだ本は「ベストセラーよりも、自分の好きな本」ということで、
川口松太郎さんの『一休さんの門』『一休さんの道』という長編小説から朗読を始めました。
【参考記事】
昭和の末期に出版された小説で、ちょっと古いのですが、人情味あふれる登場人物をいかに生き生きと読み分けられるか、そこに注意して読んでいました。
また、立川談春さんの『赤めだか』も朗読しましたが、これは噺家さんが文を書いているせいか、声に出して読んでも実にリズムがいい。
彼の師匠、立川談志さんが落語はリズムとメロディだ、と言っているように、
活字の向こうからリズムとメロディが感じられて読んでて実に気持ちが良かったです。
【参考記事】
また、ここ最近では野村克也さんの最晩年を書いた飯田絵美さんの『遺言』から、
野村克也さんと、縁のある人との「同窓会」を読み上げてみましたら、意外に好評で嬉しかったですね。
ノムさんのセリフを読み上げるとき、常に頭に浮かぶのが、亡くなる半年前の自分の祖父です。
身体が弱って、何となく涙もろくなったような…そんな雰囲気をノムさんのセリフに乗せて読んでいます。
【参考記事】
あと、スペースのメンバーには内緒で特訓?しているのは、『昭和天皇巡幸』を読みたいと…
これが、黙読しても胸に迫ってしまい、中々冷静に読めんのですわ(苦笑)
でも、朗読は「自分が淡々と読んでも、相手の胸の方に迫るもののある」方がかっこいいでしょ?
だからこれは、今こっそり読んで練習しています。
【参考図書】
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