書き写して分かった!立川談春「赤めだか」の凄さ

読書メモ

今日は山の日。人によってはお盆休みのスタートです。

しかし、僕は仕事柄、夏休みというものがございません(涙)

そんなわけで、貴重な休日を使って読書メモを取ることにしました。

今回の内容は、立川談春さんの「赤めだか」です。

著者である立川談春師匠が天才、立川談志に弟子入りし、二つ目になり真打になるまでを面白おかしく書いた快作です。

『赤めだか』で際立つテーマは師弟関係

右も左も分からない若造が、いろんな出会いの中から少しづつ成長する姿も面白いのですが

その若者に対して、師匠の立川談志

を始め、周りの人たちから寄ってたかって、談春に大事なものを教えていく姿が見られるのもまた、楽しみです。

そして、談志と談春の師弟関係から、談志と談志の師匠、五代目柳家小さんとの師弟関係が見えてきます。

柳家小さんと立川談志は、落語協会の運営のあり方で決別し、談志は一門を引き連れて「立川流」を創設、落語協会から飛び出した経緯がありました。

師弟共に、優れた噺家でありながらその一件で断絶状態になり死ぬまで顔を合わさなかったのです。

しかし、最後で分かるんですけど、深いところでこの二人はつながっているんですよね。

談春が真打昇進をかけて行う落語界に、なんと師匠を破門にした大師匠、小さん師匠のもとに出演依頼をする。

小さん師匠は快諾。談春は当日挨拶に小さん師匠のもとへ向かいます。

当日の演目が『蒟蒻問答』だと知った小さん師匠は、なんとその時談春の前で一席やって見せ、ポイントの部分をさらにもう一度やってみせます。

その指導法が師匠談志と全く同じことに談春さんは感銘を受けます。

そして、自身が高座に上がると、マクラで「弟子は師匠に惚れるもん」といって苦笑し、笑いを取る。

そこで、初めて談春が、談志に対する気持ちを察して、小さんがこの高座を引き受けてくれたと知り、

それに対して破門の身である談志が、弟子のために師匠のところに挨拶をしようとした真意を知る…

このあたりは、もう何だかジーンときます。

書き写して分かった!文章のリズムの美しさ

…この自伝(なのかなぁ)はホント、スラスラ読めるんです。2、3時間あれば一気に読めるでしょう。

文章の一つ一つ、言葉の選び方、使い方がいちいち素晴らしい!

本来なら全部書き写したいが、長すぎるので、特に好きな3つの部分を抜き書きすることにしました。

1つは、イエモト談志の指導法。談春が「狸」という話を教わった時に、談春が感じた「談志のすごさ」に素直に感動したので

もう1つは、弟弟子の志らくとの絡みで、イエモトが言った「嫉妬とバカの定義」。今まで嫉妬という言葉の定義でこれほど人の心を明解に説明したものはなかったので

最後は、談春と親交のあった歌手、さだまさしが彼に投げかけた叱咤激励。今の僕でも背中にビリっと来るようなすごい話をするんです、さださんが。

ライブでいつも面白いこと言ってるさださんが、こんなことをねぇ…というくらい真剣。

談春さんに対する思いが伝わってきます。だからここも。

書き写してみてビックリしたのは、文章がホント流れるように写せるのね。私の書き間違いがほとんどなかった。これは、よほど文章が滑らかでこなれてないと起きないんです。

談志師匠は作中で「落語はリズムとメロディ」だと談春に話していますが、この文章には間違いなくそのリズムがある!

これまでいろんな文章を書き写してきたけど、こんな事初めてです!さすがセリフのやり取りですべてを表現してみせる噺家さん。脱帽しました。

…もちろん、そのまま読んでもホント面白いので、興味のある方、ぜひご一読を!!!

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