僕は以前、地元の小中学生に勉強を教えるボランティア活動に従事していました。
子どもたちがグイグイ力を付けていくのが面白くて、そういう活動を継続的にやっていきたいと思いました。そこでインターネットで色々調べてみたら「学習支援ボランティア」なるものがあると知ったのです。
家庭の様々な事情で学校のカリキュラムについていけない子は、塾に通ったりすることもできず学ぶ機会が少ない分、選択肢をどんどん狭められてしまいます。
そうすると長じても割に合わない仕事に従事するしかなく、将来に希望を持てずに貧困層に甘んじ続けざるを得なくなる。
そんな子供たちに手を差し伸べるという趣旨が気に入り、微力ながら力を尽くしたいと思ったわけです。
塾と違うのは、教材が極めて限られること。教科書と学校のワーク、あと関連問題集があれば御の字。
このハンディを僕らの側の工夫でひっくり返してやりたいと思ったわけです。
教科書の完全消化を目指す
学校の教科書は使い尽くすほどやるとホントに力が付くもんです。
私自身も勉強になるので、大宮の押田謙文堂で英語の教科書を入手しました。
30年前、つまり僕が学んでいた頃とは教科書もだいぶ様変わりしています。
私の頃は教科書はリーディングに重きを置いていたと思いますが、現在のはアウトプット、つまり話したり書いたりする力を伸ばそうという意図を感じます。
しかし、話したり、書いたりできるには正確なインプットが必要です。これは、どんなに時代が変わっても、変わることは無いでしょう。
したがって、地味ですが単語や熟語をしっかり覚えこみ、例文を読み込む必要があります。
ちなみにこれは自分が英語教科書を何百回も音読した経験から導き出された経験則です。
教科書を下敷きに「内容を徹底的に叩き込む」
具体的なアプローチを実際の教科書を見ていただきながら解説したいと思います。
これは中学校2年の英語教科書、開隆堂のSUNSHINEの1ページです。
右側欄外に「New word」という項目があります。新出単語のことですね。
あと、上には「Basic Dialogue」という項目があります。これは文法、語法の項目です。
まずは、この2か所を徹底的に叩き込みます。
まずは、新出単語。その場で覚えてもらい、直後にテストをします。
最初は分からなくていい。今から覚えればいいのですから。
忘れても気にしない。また覚えればいいのです。繰り返せば忘れなくなります。
テストはその場で全問正解になるまで繰り返します。教えていた子は、必ず一発で100点を取りました。
単語が出来たらBasic Dialogueを押さえる
次はBasic Dialogue。文法語法のコーナーですね。ここは、文法なんかは別途教えていました。語順とか、どういう考え方をすればいいのか、とかね。
で、ここを下敷きに練習する。ここは文章がシンプルで分かりやすい。
意味を確認したら、音読筆写で攻めていきます。
また、1対1で人物になり切って例文を読んでいったり、私が読み上げた英文を書きとってもらったりもします。
教科書の本文を徹底的に体得させる
ここが十分に固まったら、いよいよ本文攻略に入ります。
1文、1文を主語は、動詞は?と丁寧に読み解きます。分からない場所はまず、主語と動詞を抑えさせて
「誰が、何をしたか」といった最小単位での内容を把握させてから全体像をつかみに行きます。
代名詞が何を指しているかもきちんと答えさせます。出た内容は100%理解させる。
そして、ここでも単語テスト。
つっかえたり、勘違いをしてたり、覚えてなかったり…人間は忘れる生き物なので、ここで知識の欠落がないようにもう一度テストをするのです。
それができたら、音読筆写、音読、一文一文、本文を読んで見せて後をついていかせるリピーティング、本文の上に付箋や目隠しをおいてノートに本文を再現する穴埋めライティング、
そして、僕が読みあげた教科書の文章を書き取りさせるディクテーションも行います。
*新しい教科書にはQRコードがついていて、スマホで音声再生できるようになりました。これを使えば一人でもディクテーションができます。
教科書の内容を、それこそありとあらゆる方向から徹底的に刷り込む。これが教科書から、ダシ一滴でないくらい「しゃぶりつくす」方法です。
これで生徒は、定期テストで100点を叩き出しました。
英語が伸び悩んでいる方、ぜひお試しあれ!
【関連記事】
このやり方で、生徒は伸びたのですが、途中から学習指導を仕切ってる人が自分のやり方に執拗にこだわって介入され、結果私の方がクビになりました。
その人のやり方が、まぁひどいので、反面教師に書いておきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事が面白かったらTwitterリツイートやシェアボタンでの応援よろしくお願いいたします。
コメント