先日、加藤弘士さんの『砂まみれの名将』を読み終わりました。
野村克也さんが亡くなって、もう2年になるんですね。
なんか未だに実感湧かないんですよ。
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だから、本買って読むこともちょくちょくありますし。
コンビニなんかでも未だに「野村克也の言葉」みたいな本が置かれてますよね。
だから、余計なのかもしれませんが。
シダックス時代のノムさん、知らなかったなぁ
この本はたまたまラジオ聴いてて、紹介されてたんですよね。
私は、「読む」野球ファンといいますか
普段野球を見なくなっても、本はチェックしてます。そこに引っかかってきたんです。
ノムさんは、ヤクルトから阪神の監督になり
楽天の監督でプロに復帰するまでの間
社会人野球のシダックスの監督兼GMとして指揮をとっていました。
プロみたいにレベルが高くないし、大会ではそこそこまで進んでいたから
言っちゃなんですが、プロ野球と比較しながら、選手たちをぼやいてたのかなと。
たまにテレビで出てくる時なんかも
新幹線の切符自分で買ってるとことか
探偵ナイトスクープで、三角ベース対決したりとか
阪神の二軍と試合してたなとか。
その程度は知ってましたが、本人がどう捉えてるのかまでは、全然考えてませんでした。
実はすごくイキイキしてたノムさん
ところが、これが大間違い。
これまでは、プロとしてお金を稼ぐために頑張る選手は見たことがあったけど、ゼニカネよりも純粋に野球がうまくなりたいという
アマチュア野球の選手たちと過ごすうちに、ノムさん本人がドンドン元気になってきた。
そして、長年書き溜めてきた野村メモをこの時期、デジタルデータに書き直す作業が行われて
それをもとに、ミーティング教本の『ノムラの考え』のボリュームが一気にアップしたと。
これを聞いて思ったのは、ノムさんの『野村克也野球論集成』は、このシダックス時代のデジタル化が一つのきっかけではなかったのか?とも思った次第です。
本人は、シダックスでの野球を結構気に入ってたんで、楽天の監督として就任するときも、ちょっと未練があったようですが、
この経験がもう、名将だったノムさんにとって、さらに野球に深みが出たんじゃないかなと、
そんな風に思うんですよね。
やっぱり、サッチーは「最高の嫁」だった
阪神の監督をサッチーの脱税事件でやめざるを得なかった…という話もあるんですけど、
サッチーはそのこと、ずっと負い目に感じていたみたいで、シダックス監督を渋るノムさんの背中を押したり、
旦那をプロ野球に返り咲かせたり、と実にマメにアプローチしていた話もこの本に出てきます。
私ははじめサッチーのイメージって、人のことはお構いなしにズケズケモノをいうおばちゃんだったですが、
証言者の語るサッチーの姿は真逆とも呼べる、細やかだが熱心なセールスマンのように、
ネガティブ思考で慎重居士のノムさんをグイグイ引っ張り、表舞台へ持ち上げる行動力は素晴らしい。
デコボコだけど実に名コンビだなと、読んで感心しました。
あと、阪神の監督を辞めた時、実は脳腫瘍が見つかってすぐ手術したという話を聞いて、
もし、その時スキャンダルがなく、もう一年続投してたら、こんなすぐに手術なんてことにならず、ノムさんもっと早くに亡くなったかもしれないというのも、
人間万事塞翁が馬、みたいで面白いですな。
人間って長く生きていると、得意の時も失意の時もあるけれど、どんな時でも全力で情熱を傾けるってすごく美しいものだと
なぜか、そんなことも考えてしまいます。私もまだまだ若造ですが、腐ってはいかんなぁ…と元気をもらった一冊でした。
すごくいいです。おススメです。
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