世界史ファンも必見!山田五郎さんの「メーヘレン事件」解説

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先日、YouTubeを見ていたら、私がいつも楽しんでいる山田五郎オトナの教養講座で

ついに、というかやはり!というか、メーヘレン事件の解説動画が上がっていました。

このチャンネル、主に画家の生涯と作品を様々なウンチクを加えながら面白おかしく解説してくれる超おススメなんですが、

【参考記事】

西洋絵画史随一の「どヘンタイ」ドガの解説が面白い!
私、一人でシケシケ飲んでおりますと、YouTubeがお供になります。中でも、最近一番のお気に入りが山田五郎教授(と呼びたくなる)の『オトナの教養講座』です。これが、とかくとっつきにくいイメージのある西洋絵画史をたびたび取り上げてはメチャクチ...

今回のメーヘレン事件も、面白さから言っても、その事件のねじれっぷりからいってもバツグンに面白いので、ぜひおすすめしたい!!

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そもそも、メーヘレン事件って何?

時は1945年5月。ドイツ降伏から2週間もしないオランダで、一人の男が逮捕されます。

ファン・ハン・メーヘレン。彼はナチスのナンバー2、ヘルマン・ゲーリングにフェルメールの作品を売り渡した、という容疑で裁判にかけられました。

最初は「イタリアの友人から預かった」とかノラリクラリと主張していたメーヘレン。

しかし、彼の口から「ゲーリングに売った絵はフェルメール作じゃない。私が描いた」という話が出て、さらに…

「あの作品も、この作品も私が描いたもの」と真作認定されたフェルメール作品の名前を次々と挙げたことから

話が、一気に一大贋作事件に早変わりした、という

美術史の好きな人なら一回は聞いたことある、大スキャンダルに発展したのです。

美術面から解説する山田五郎さんの見方が面白い

この事件、とにかく説明することが多く、今回は第一弾で、続編も予告されています。

私は美術の審美眼というものがまるでないので、経緯を知っているのみだったのですが、

山田さんは美術面から、メーヘレンが自分の作った贋作を真作と信じ込ませるかという手口を明らかにしていきます。

フェルメールは19世紀にその再評価がなされ、作品の数もわからず、研究の歴史が浅かったという弱点を利用して

フェルメール研究家が立てた仮説を逆利用。彼の仮説に合う作品をメーヘレンは作り出します。

絵具やキャンバスは、同じ時代のものを使い、

実際のフェルメールの取り入れた手法を、わざと過渡期に試みたかのように見せたり

絵に登場する人物に、実在する絵のモデルを巧みに紛れ込ませるといった、

プロを欺くための騙しのテクニックに専門家はコロリとやられ、科学的な検証を待たずに「本物」と断定してしまいます。

ここまで私が描いたら、山田さんの解説要らなくね?と思った皆さん。

動画は絶対に、見た方がいいです。その方がメチャクチャ楽しめる。

牛乳を注ぐ女とエマオの食事

左:フェルメール 右:メーヘレン 一見すると全然、違う画家の絵に見えるのに、なぜ?

一見すると、我々が知ってるフェルメールっぽくないこの贋作が、なんで真作だと断定されたか

贋作と真作を比較しながら解説してくれるのは、知的な好奇心をメチャクチャ刺激してくれます。

後半は「なんでメーヘレンは贋作に手を染めたか?」を推測

で、この前半では、メーヘレンの手口を紹介するのですが、

なぜ、彼がフェルメールの贋作をわざわざ作ったのか?という謎が残ります。

カネか?それとも…まぁ、山田さんは「彼の生涯にヒントがある」と言っているので、たぶんアレだと私は察しがつくのですが…

この話題は美術の話でもあると同時に、

20世紀の歴史を語るネタにもなっていて、ナチスがいかにメチャクチャやってたかとか

被害を受けた国民がどれだけブチ切れていたかを裏書きしています。

今、ドイツを中心にEU圏を形成しているヨーロッパですが、遠からぬ過去に、こんなワチャワチャがあった、ということを理解するためにも、

格好のネタになるので、おすすめします。

 

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