昨日、気の置けない友人たちとドライブを楽しんでいたら、ふと友人が漏らした一言が妙にひっかかった。
「コロコロ変わる名前があるんだよな~」と。
それは、栃木県宇都宮市、日光宇都宮道路にある徳次郎という地名。
どっちなんだ!?で20年モヤモヤ
この地名が「とくじら」という名前らしいんだけど、記憶力バツグンの彼には珍しく「確か、とくじろうのような、とくじらのような」とかなり自信がないみたい。
というのも、これまで、とくじらになったり、とくじろうになったりと、なんども変更されたから、だと言うのです。
で、確かに看板を見ると、ローマ字のところに表記を直した跡がある。
仕事で日光宇都宮道路を通るたびに気にはなるけど、その場でスマホで調べるわけにもいかず、通り過ぎれば、何となく忘れてしまうから、また通るとモヤモヤ…かれは20年ほど、そんな疑問を抱いていたらしいのです。
で、せっかくだから調べてみることにした
こういう時は、子どもの頃から調べるのが好きな私の出番かな?と思い、早速インターネット検索をしてみた次第です。
そうすると「徳次郎」をどう読むか?で非常に面白い記事を見つけた次第です。
徳次郎町の名称(読み方)が変更になりました|宇都宮市公式Webサイト (city.utsunomiya.tochigi.jp)
このリリースが出たのが、なんと令和3年3月!
記事によると、「これまで『とくじろうまち』だったのを、地元で呼び倣われている『とくじらまち』にしました」とのこと。
ということは「とくじら」がオリジナルだということになるわけです。
ところが、検索の家庭で、こんな画像が飛び出して、頭の中の「?」が100個も湧いてくる事態に。
こっちはローマ字部分が書き直された跡があり「とくじろう」になってます。
友人は、「とくじろう」だか「とくじら」だか(´・ω・`)とかなり混乱していたのは、この二つで道路の表示が二転三転していたからみたいなんです。
なんで、こんなことが起こったのか!?
管轄が変わったことで、名前がチェンジ!というややこしい話。
もともと、この日光宇都宮道路の徳次郎インターチェンジは1976(昭和51)年に当時の日本道路公団が整備したもので、町名では「とくじろうまち」だったけど、「地元で親しまれている地名は『とくじら』だろ?」ということで、「とくじら」を採用したそうです。
ところが、この道の管轄が日本道路公団から栃木県道路公社に移った後、2008(平成20)年に今度は、地元の町名が「とくじろう」で表記されたことから、そちらに合わせて「とくじろう」に読み方が変更。
で、先ほど今年3月に、今度は町名そのものが長年呼び倣わされていた「とくじら」に合わせてチェンジし、それに合わせてインターチェンジの読みも「とくじら」になる、という
なんか説明する方も頭がこんがらがる経緯を持っていたようです。
「とくじろう」が紛れ込んだのはいつか?
じゃぁ、です。
長年親しまれた「とくじら」になんで、一時的でも「とくじろう」が紛れ込んできたのか?
これが、ただの書き間違えではなく、歴史的な根拠もあるからまたややこしい。
もともと、この辺は奈良時代から続くとされる久次良(くじら)氏の外領なんで、外久次良(とくじら)という名称が室町時代に定着。
そして、戦国時代にこの地を治めた宇都宮氏の家臣、新田徳次郎(とくじろう)が築いた徳次郎(とくじら)城があって…とここでちょっと混線しています。
どうも、なまりで「とくじら」と「とくじろう」が似た発音になっちゃったらしい。
なんで、もともと「とくじら」と呼んでいた場所に「とくじろう」さんが来て、居城の徳次郎城が「とくじらじょう」となる…わけです。あーややこしい!
そしてこれが近代になり、1954年に徳次郎(とくじら)を含む富谷村が宇都宮市に編入されたとき「なぜか」町名に「とくじろう」が復活?して、以降地元の「とくじら」「とくじろう」の並立状態が続き、そろそろスッキリさせたいと思ったのか
地元自治会で2020(令和2)年「やっぱり長年使ってるし『とくじら』に町名を変更しようよ」、となり…最初の「とくじら」に町名変更された、というこれまたややこしい経緯だったのです。
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