あの人に会いたくて…『三瓶明雄の知恵』を読む

読書メモ

ふとしたことからYouTubeで昔のDASH村を見直してみたら、すっかりハマってしまった。

以前父親が面白そうに見てたのを、ふーん…と横目で見てたのに、中年になってから自分がハマるとは。

社会人として生きていると、暦は寒くなった暑くなったくらいですが…

農業って季節ごとに田おこしして、田んぼに水を入れて苗植えて、畑の草取りして…って季節ごとにやることがある。

稲を刈り取り、収穫が済んだ後も味噌仕込んだり、モチ突いたり…経験したことほとんどないのに大地にしっかりと足をつけた毎年のリズムがミョーに懐かしい。

しかし、YouTubeにある動画は限られている。当然というか、あっという間に見尽くしてしまい、かと言って映像ソフト化されていないため、ちょっと欲求不満に…

そこで、なんか代わりになるものはないかなぁ、と探してみたら、ありました!

読んでみると、内容はDASH村のことはあまりない。

でも、農業生活を始めるコツや、都会の人にはよく分からない田舎のしきたり、味噌や凍み餅の作り方や炭の焼き方まで色々書かれていて、中々読み応えがある。

特に興味深いのが、「味噌の作り方」。

三瓶さんちのお味噌の作り方と、ウチのじーちゃんが作っていた味噌の作り方を比べながら読むと、中々面白い。

三瓶さんちでは、原料の大豆を茹でたあと、大豆を砕き、玉にする。その玉を軒下に吊るしてカチカチになるまで乾燥させ、それをまた砕き、コウジ、塩水を加えるんです。

それを樽に仕込んで2年寝かせると三瓶さんは言います。

ちなみに僕のじーちゃんの家は、カチカチにする作業がありません。大豆を茹でて、柔らかくなった大豆を砕き、そこにコウジと塩を加えます。

水分は大豆の煮汁(じーちゃんたちはアメと呼んでいました)を補いつつ味噌玉をこしらえ、プラスチックの桶に叩きつけるように入れます。

こうすると空気が抜けるんだそうです。そして桶いっぱいまで詰めたら上に塩を振り、熟成させます。

熟成期間も1年ほど。だから1月に仕込んだ味噌を次の冬に食べるんですよ。

明雄さんは福島県の浜通り、僕のじーちゃんはおそらく信州(親戚が多くて、野沢菜なんかも漬けてました)だから、その風土に合った作り方をしていたのかも知れませんね。

あと、興味深いのが「凍み餅」。

以前、吉展ちゃん事件で犯人の話にちょっと出てきた「凍み餅」がじーちゃんの家にはなかったのでなんだろう?と。

それが思わぬ形でこの本から出てきて驚きました。

モチを凍らしたものかなと思ったら、どうやらそうではないらしい。

モチと言いますが、使うのはうるち米、つまりフツーのお米のくず米やアワ、ヒエを粉にしたもの。

それにヤマゴボウの葉(ゴンボッパ)のアクを取ったつなぎで固めて、乾燥させる…というものらしい。

食べ方は水で戻して炙る、とありました。

ちょっと食べてみたいなぁ、と思うのは僕が食いしん坊だから、なのでしょうか?

え、あの時明雄さんの奥様は…

明雄さんといえば、いつでも明るくて元気いっぱいな姿を思い浮かべる方も多いはず。

しかし、明雄さんの妻、アキエさんはDASH村企画が始まる前、2001年に亡くなっていたとの驚愕の事実が書かれていました。

それでも、悲しみをおくびにも出さず、DASH村に出続けられたとのことです。

フツー奥様に先立たれると、日本の男は急に元気が無くなり、後を追うように亡くなってしまうのも珍しくありません。

もちろん、明雄さんも悲しいでしょうが…

命は有限だな。有限の命をつないでいくのは、ご先祖様がいるからだろう。ご先祖様のおかげで、今の自分がいる。

だから、神様、仏様に感謝の気持ちを持って生きていくことが、亡くなった妻への供養だと思うんだ。

いつまでもクヨクヨしていたら、妻に申し訳ないだけでなく、自分も情けなくなってしまうよ。

それは、亡くなった妻が一番悲しむことだと思わないか(104ページ)

…なんか、泣けます。

最初は、テレビ企画の本だからと舐めてかかっていましたが、いい本でした。

おススメですね。

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