両親の本棚から―読書好きの源流を思い出す

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私はツイッターもやっているんだけど、とある人の投稿に…

「本をたくさん読む子は国語の成績が良い」というのは、因果関係が逆だと思ってる。「国語でいい成績がとれる子は、もともと活字を読むことに苦を感じないで、本もたくさん読む」が正解だと思う

というのがあった。

以前も書いたと思うけど、私自身は活字に全く苦手意識がない。

この方の発言を読んで、フーム…と考え込んだ。自分は本が好きで好きで仕方がないから、慣れたらだれでも夢中になる、と思っていた。

しかし、そうでない人もいるらしい。

じゃ、なぜ自分は本好きになったのか?

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本好きのルーツを丁寧に思い出してみた…

まず、記憶の奥から出てきたのは本の匂いが立ち込める小学校の図書室。

たしか、『少年少女マンガ日本の歴史』をはじめ、学研の学習まんがや『はだしのゲン』といったマンガを手にしたな…

しかし…体験となるともっと前、なんかあったよな…

そんなことをあれこれ思案しているうちに、行きついたのは…

両親の本を収めた、子ども部屋の書棚だった。

子ども部屋隅の、本棚の記憶

両親が念願かなって、埼玉県の郊外に新居を構えたとき、

私と弟は12畳の子ども部屋を与えられた。

そこには、建付けの都合からか南側にちょいと飛び出したスペースがあって、そこには父親、母親の本がスチール製の本棚に詰め込まれ、西日を浴びてならんでいた。

両親はどちらも高卒で、すぐ仕事についた。

大卒はまだまだそんなに多い時代ではなかったから、当時としては平均的な田舎の子だったと思う。

父親は実は大学に行きたかったのだが、最大の弱点だった英語をそっちのけで大好きな数学、物理に全振りして地元の大学に行けず(奇しくも30年後の私も同じ英語で落ちた。歴史は繰り返すというか、血は争えない、というべきか…)

大卒に負けまいと、海音寺潮五郎や司馬遼太郎、松本清張や藤原弘達なんかの本を独身時代読んだらしい。私が物心ついた後も、山崎豊子やカルロス・ゴーンの『ルネッサンス』(今はただの逃亡犯だが、当時は日産の救世主扱いだった)などを読んでいた記憶がある。

一方の母親は、あまり本を手に取る姿を記憶してないけど、

村上春樹の『ノルウェイの森』や、私が読み飛ばした夏目漱石の『こころ』を暇つぶしに読んでいたし、独身時代にパール・バックの『大地』を楽しんだと話していたから、まんざら活字に興味がない、というわけでもなさそうだ。

あれこれ考えているうちに思い出した、人生最初の本とは?

とここまで、考えていったとき、突如頭の中にぴーん!と閃いた。

実は、もっと、ずーーーーっと昔に「見ていた」本があった。

それは、母親が花嫁道具の一つとして持ち込んでいた「料理本」

まだ、ろくすっぽ文字も書けない幼児の頃、その本を飽きずに眺めてた。

当時の自分が何考えて、その本を見ていたかまでは覚えていないんだけど、

子どもって本と、ノートの区別はつかないから落書きとかしますよね。

料理本を後で見返したら、巻末の裏表紙のところに自分の書いた母親の名前(ただし『よ』が鏡文字になっていた)はあったものの、写真やレシピのところは落書きがない。

実にキレイに残されてた。

これって、多分…料理本が好きだったんじゃないかと。写真とか見て、色々空想に耽っていたり(あるいはこんなご馳走食べたいな、かもしれないけど)してたんじゃないかと。

ただ、これどんな料理?と質問攻めにして母親を呆れさせたらしいので、少なくとも強い興味は示していたことは間違いないと思う。

ついでに思い出しちゃった「不都合な真実」

と、ここまでで止まってくれりゃ、懐かしいなくらいで済むんだけど…

まぁいいや、もう時効だから話す!

小学生のころ、父親の持ってた写真雑誌を開いてみたら、女性のヌードが掲載されていたり、投稿されていたりした。

父親は私の前では謹厳実直、真面目一辺倒で、週刊誌なんかも買わない人。(私という子どもがいるんだから全くその気が無いわけじゃない、と思うが)

なもんで、幼少時の私にその手の免疫、まるでなし!

なのに、である。

子どもの私はそれを「見てはいけないもの」という一種の背徳感を覚えてしまい…

思春期に本格的に自分で買うまで、たまーにこっそり覗き見たことがあった。

実物が残っていないために検証は不可能だが、もしかしたら…

カメラマンがファインダーから覗いてた、下心を敏感に察知した…わけないか(苦笑)

そんな私も今では42のくたびれたオッサンである。

真実は、藪の中。

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