常軌を逸したドけちぶり!子どものころゲラゲラ笑った『日高山伏物語』を大人になって読み返してみた

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小学校の時に、休み時間に外に出るのが面倒で、図書館にもぐりこんでマンガ日本の歴史を読んでました。

当時は別に歴史が好きだったわけじゃなく、学校で読めるマンガがそれだけだったから。正直、マンガ日本の歴史ばっかり読んでた気がする。

だから僕の頭の中では、いまだに歴史人物はマンガ調で思い出します。

そんな僕もいい加減、日本の歴史に飽きてきて何気なく本棚から引っ張り出した一冊が、

運よく大当たり。

椋鳩十の『日高山伏物語』でした。

椋鳩十というと、教科書で『ごんぎつね』を読んだ位だったから、まぁなんとなく引っ張り出したんだと思う。

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ジョーダンみたいにドけちな山伏の話に熱中!

多分「この人、知ってる」って感じだったんじゃなかろうか

主人公の日高山伏を一言で言うと『”超”と”ど”をつけてもまだ足らないケチ』

○暑い時に扇子を開いてあおぐ。あおぐと扇子が傷むからと、頭の方を振ってみる

○大雨の橋の上から釣り糸を垂れる。釣り上げた下駄を再利用

○灯明をつけるとロウソクが減るからとトンガラシの赤いのをさしてロウソクを節約

○うどんを注文して「あ、ソバだった!うどんは返すよ」といい、ソバを食べると「うどんとソバは同じ値段だから、差し引きゼロだろ?」と謎理論で無銭飲食

○究極のオカズは、醤油。箸の先につけてなめるとアラ不思議。減るどころか増えていく

…とまぁ、次から次へとこんな話が続く。湿っぽくなく、ここまでいくとケチもすがすがしいし、非常識で珍妙な事をしてのける山伏がチャーミングに思えるから面白い

僕が本の面白さを知ったのは、この本と出会ったからだと思う。

突然思い出し、図書館で借りてきた。

時が流れて、時代は平成も終わりに差し掛かったころです。

突然、この『日高山伏物語』を思い出しました。

あの頃、「ばっかでー!」とゲラゲラ読んでいたことを

あれは無性に面白いんじゃないかと思い出し、一度読まずには居られない位に欲求が募ってしまった。

とはいえ、母校に貸してください!はできないでしょう。不審者として通報されるのがオチです。

そこで、地元の図書館のホームページに

蔵書検索機能があったのを思い出し、『日高山伏物語』を検索しました。

そしたら至極あっさり見つかってしまったわけです。それならばと予約したのはいうまでもない。

週末の土曜日に図書館の窓口で借り出してきて読み出したのですが、

昔読んだイメージどおり、徹頭徹尾ケチな日高山伏どんのケチ話がこれでもか、これでもかと続く。

が、子供の頃と同じように楽しみました…だけではつまらない。

ただ笑うだけにこんな話を一冊にまとめたのか?何が言いたいのか?

そんなことがふと、頭にわいてきたのであります。

ただ「面白おかしい」の先に何かないか考えた

まず、この物語が語り継がれた理由はなんだろう?

このケチぶりは見習うというレベルではなく、明らかに見習っちゃいけないケチレベルです。

作中でもあるのですが、

日高山伏物語は決して素寒貧ではない。持ってるものは持ってるのに、それを惜しんでケチ道に邁進してる(無銭飲食なんてやっちゃいかんだろ!)

この話は日高山伏の話ですが、

書かれた視点は『下から見た』視線を感じます。

ものすごく卑近なイメージで言うと『焼き鳥屋でオヤジが飲んだくれながらバカ上司を愚痴ってる感じ』を感じます。

さすがにバカだのナンだのとは書いていないのですが、文脈から山伏に対して好意を持って書いたのではないと思います。

あとがきによると舞台は薩摩の国(現鹿児島県)。

時代は江戸時代(天保年間)だから治めていた島津家も慢性赤字。

武士が赤字に陥ると何をするか?まずは質素倹約、贅沢禁止。さらに年貢の増額。

実際「天保の改革」も行われましたが、基本は質素倹約、贅沢禁止ですわな。

江戸の都もそうだが、倹約を強いられるのは武士だけではない。大体農商工階級も付き合わされる。

どんな人だって生きていれば、少しは息抜きしたいけど、武士が倹約、ケンヤクとやかましい

で、武士階級っていう存在は、基本遊民階級なんです。

体裁だけ整え、面白くもおかしくもない一日を送り、建前ばっかで中身がない

その他の階級を下にみるくせに建前ばっかを押し付けて、威張ってばっかじゃねーか!と

特にうどんの話は、そういう不条理を感じますね。

そういった不満のウップン晴らしに武士階級の代表、日高山伏どんをシニカルな笑いに包んで語り継がれていったんじゃないかな。

と、ちょっと考えてしまいました。

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