英語教科書を500回音読して、今の中学生に対抗する人体実験を行っております。
先日、12周目に入りました。回数にすると180回になります。
3分の1が終わった…結構いいペースだと思います。
また『かわいそうなぞう』か…(´・ω・`)。
でも、まぁ嫌な英文、あるんですよね…Faithful Elephants 。邦題は『かわいそうなぞう』ですわ。
このブログでも以前、この話時系列がおかしいとか、実際に殺処分を命令したのは今でいう都知事とか、色々書いたわけです。
まあ、編者も分かってるみたいなんですよ。この話が色々事実とは違うということは。
というのが分かるのはここ↓
この話は、実際にあったことをもとに書かれた物語です。
ちゃんと、言い訳してますが、読まされる方はよもや1ページ目の2段落目
Bombs were dropped on Tokyo every day. が創作(前の記事でも書いたけど、東京の空襲が常態化するのは象が死んで約半年後)とは、思いもしないでしょうし…
この件については『かわいそうなぞう』英訳版を掲載した前の版ですでに批判が来たみたいで、『サンシャイン』著者代表新里眞男氏は以下のようにコメントしています。
「そもそもこの課は「物語」であるので歴史的な真実性に縛られることはないと同時に、原作『かわいそうな ぞう』に書かれている文章を英文に書き直したものであるので、仮に歴史的に正しいかどうかの論議をするにしてもそれは原作を対象にして論じられるべきものである。
いずれにしても、この課の文章は物語なので、fiction として作者が伝えようとしている全体的なメッセージを把握することが大切である。
とのこと。つまり「文句を言うなら原作に言え」「フィクションなんだから細かな事実誤認に目くじらを立てるな」と。
ちょっと苦しいぞ、新里さん。なお原文について詳しくはこちらから。
象じゃなくて人の表現に目を向けてみる
まぁ、愚痴はここまでにして、と。象がかわいそうなのはよく分かった。以上。
なので今回は象ではなくスタッフ、つまり動物園の飼育員の単語の使い分けを考えてみることにしましょう。
①46ページの英文4段落目
The zookeepers did not want to kill them, but they had to follow the order.
とあります。動物園の飼育員といっても、当時の日本にも上野動物園だけでなく、他の動物園もあるわけですから前の文からの流れで、これは「上野動物園の飼育員」を指すために定冠詞 the をつけているわけです。
ちなみに、飼育員の嫌々感が出ているのは、 they had to follow the order の部分。
have to は「(外部の要因で、)~しなきゃいけない」のニュアンスが入っています。
②8段落目の the elephant keepers
象の飼育員(複数)となっています。日々世話をしていた象の飼育員たちがみな食物を与えない、という形で動作の主体になっています。
その直後の When a keeper walked by their cage, の人物は単独の不定冠詞 a を用いているので、たまたま誰か一人の飼育員が通りかかったというニュアンスになってます。
③9段落の Everyone at the zoo
動物園の飼育員はみんな位の意味でしょう。これは everyone に注意してください。
この名詞は単数扱いになるので、現在形だったりすると3人称単数刑が適用されたり、Be動詞だと is や was なんかが使われたりします。
④11段落目の When an elephant keeper came to see them,
ここでは単独の不定冠詞 a が後ろの elephant によって an に変化しています。さっき登場した② the elephant keepers の一人、という位置づけでしょう。
と言った感じで、気の進まない英文を読むときも別の方向から目を向けると、ウンザリ感もやや薄れる感じがいたします。
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