大金持ちの哲学だけが『バビロンの大富豪』ではない!

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この記事では『バビロンの大富豪』を久しぶりに読んだら、若い時と全然違う感想を抱いた話を書きます。

以前は、巨万の富を築く伝説の大富豪、アルカドの話に目が行って、ほとんどそれしか読んでいなかったようでした。

それが、働き盛りであり、人生もちったぁ経験する自分が読み直すと、全く別の場所に感銘をうけちゃって驚いた…そういう話を書いていきます。

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知らない人のために『バビロンの大富豪』を紹介してみる

先日購入した『バビロンの大富豪』をおそらく10年ぶりくらいに読み直してみました。

この本は、1926年ごろ、ジョージ・S・クレイソンという人物が古代メソポタミアの都バビロンを舞台に、大富豪になる秘訣を寓話として書いたものが評判になり書籍化

以来100年近く読み継がれる自己啓発本として今も読まれている本です。

日本でも5年に1回くらいは話題になり、私も知る限りで4回くらいはブームが来ている本です。

最近では、マンガ化もされているようですね。

この本の白眉である点は、あらゆる人間が意志さえあれば実践できる

・稼ぎの10分の1を自分のために天引きして貯金し

・それを無駄遣いせず有利な条件で運用し、「お金を働かせる」ことで増やす

という2点に絞れると思います。

読んだものを実践するキッカケになった本

この教えは20代で読んだときに大変感銘を受け、以来自分は「財布を膨らませる」ことを常に考え、実行するようになりました。

稼ぎはそんなにないですが、それでも今会社を辞めても楽に半年は食いつないでいける余裕はできました。

(実は東日本大震災の時には、もっと持ってたけど、「どんだけ貯めてても死んだら終わり」と考えたら妙にばからしくなって散財して減らしたこともあります。今はだから仕切り直し状態)

ただ、やったらやっただけ、結果は出ましたね。それは間違いない。

読み直したら、感銘を受ける場所が変わってた

で、最近ふと「あれ読み直したいな」と思い出し、久しぶりに読んでみました。

で、読み始めたらやっぱり出ました。

感銘を受ける場所が変わっている!

本を読んでいる人あるあるだと思うのですが、人間って昔読んだ本を読み直すと、印象がガラリと変わることがあるんです。

【参考記事】

川口松太郎『一休さんの門』を各時代の自分がどう読んだか?
同じ小説を違う歳で読んだら、印象が変わります。今回は中学生時代に読んだ川口松太郎『一休さんの門』を再読しながら、10代、30代の頃の感想と、42歳の感想を並べて比較してみました。

若い頃は「バビロンの大富豪」アルカドの教えをなめるように読んでいました。淡白な性格の中にもがっついたところがありましたからね。

で、今回はというとちょっとこの部分を批判的に読んでいました。

例えば、アルカドは自分の家を持つことがいい、と勧めていますが

これは、今の日本では要注意なアドバイスだな、と感じたんです。

というのも、日本で家を買うというと大体のケースが「新築を買う」場合だったりして、

家の価値が買った時に最大になり、年数を経ることにその資産価値は逓減(じょじょに減る)するからです。

そして「奴隷のように働かす」べき富を全振りに近い状態で購入し、さらに長期ローンを組んだりすると、家を買う総額を支払うだけで人生の大半が終わってしまう。

これが、100年前のアメリカで書かれた本だとすれば、当然…中古住宅も含めた話でしょうし、地価も日本とは比べ物にならないくらい安いわけで…

もし、著者が現代の日本で『バビロンの大富豪』を書いたとしたら、同じようには決してかかないはずです。

今回沁みたのは、ここ!

で、昔ははーい、読んだよって軽く流していた場所があります。

それは「第七話」。借金で首が回らなくなり、盗賊に身を落とした挙句奴隷として売っ払われて、そこから再び立ち上がったタルカドという男の話です。

言ってみれば古代の多重サイマーですな。

で彼は、奴隷としてシリアで売り飛ばされた後、その雇い主に

「私は奴隷の心を持っているのか、それとも自由人の心なのか」と問いかけます。

「自由人なら借金を返す気持ちがあるのか?」と聞き返され、そこで「借金で首が回らないうちは胸を張って生きていけない」と悟り、

借りた金をコツコツと返済することを決意し実行。

借金を完済し、さらに大富豪への道を歩むわけです。

この話を読んで、ふと思ったのは「お金=信用」であり、お金だけでなく人間関係においても「信頼をマイナスにしていけば、人として行き詰まり、ロクな事にならない」ということでした。

そして、タルカドの借金返済方法は、次の章「第八話」に詳しく書かれるのですが、

収入の1割は貯蓄

収入の7割で生活

残りの2割は均等に借金を返済する

という「返済+貯蓄」を行っていることです。お金は、他人に対しては相手への「信用」の力で働きますが、自分に対しては「その信用を我がものとする」形で働く

ということですね。

労働を敵にしていないか?とハッとする

あと、第九話では、「働くことを友達にすると」道が開けるという話も

改めて、そうだなぁと思いました。

もちろん、労働は生活するために切っても切り離せない存在ではあるのですが、

嫌々やるのと、自分で試行錯誤しながら主体的にやるのとでは、同じ労働が苦役にもなるし、喜びにもなるな、と。

私は割と自分の仕事が「人を喜ばせられる」と思うと嬉しくて、23の時に就職した会社で今も仕事をしているんですが、

最近チョクチョク、仕事の中で悩みを抱えたり、仕事をうっちゃって「遠くへ行きたい!」と思っちゃったりしていたんですよ。

でもどうしても未練が残る、という気持ちを持っているので、今まで続いているのか、と思っちゃったりしました。

自分の経験を乗っけて、活字の世界をイキイキと読み解いていく。

これが出来るのも、経験あればこそ、なのかなぁと思ったりしましたね。

もしかしたら今回「読みたいな」と思ったのは、こういう感じで気持ちがヘタってたとき、若い頃読み飛ばしていた部分が忘れかけでも少し残ってて

若い頃の自分が「おい、今のお前に足りないのココだろ!読んでみろ!」と叱咤激励してくれたのかなぁと思ったりしました。

【参考文献】

とりあえず、先述したように、この『バビロンの大富豪』って出版社によって色んなバージョンがあるんですが、とりあえず今回読んだ「グスコー出版」版を紹介します。

【関連記事】

「若い頃の読書」の意味を考える
以前も触れた事ですが、大学生の時「1日1冊本を読む」事を最低のノルマとしていました。元々僕は怠け者で、感心しない失敗はそれこそ山ほどあるのですが、とにかく1600冊の本を力業で読んだことは素直に褒めてやりたいと思っています。

 

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