この記事では、ちょっと古いけど「失敗」から学べる本を3つ、挙げていきます
世の中には色々な本で溢れかえっておりますが、手を変え品を変え売れるのが自己啓発本です。
僕も20代位までは自己啓発モノにはまっていた時期があり、知的生き方文庫なんかを読み漁っていた事もありました。
ただ、最近は失敗だらけの日常を送っているので失敗史に目が向くようになっています。
失敗ははっきりとした原因を分析するので、下手な成功本よりも得るものが大きいのです。
まぁ、失敗にも色々な本がありますが、ちょっと挙げていきます。
熱狂の先は地獄の業火がお出迎え~J・K・ガルブレイズ『バブルの歴史』
今は、コロナ禍の中で株高が続き、
株ブログを書いている人達を戸惑わせています。
僕自身は、
「金融緩和を続けているので、それが株に流れるのは当然」だと思っているので、さして驚きもしませんが。
いずれ日本にもバブルが来るだろうと思います。正確な時期は分かりませんが。
で、今のうちから熱狂的な雰囲気が起こったら冷静に逃れられないかと考え、読んでみました。
結論は『バブルを予見することは大変難しい』。
バブルにいる時、人間は中々冷静な判断ができないようです。
そして思考は都合のいい方向に引っ張られやすい。
今を考えれば分かりますよね。ベクトルは真逆ですが、コロナ禍の日本は今のような暗い世相が延々と続くように思われている。
未来がどうなるかなんて、誰にも分からない。
今は薄墨を流したような未来予想図が、いつまでも続くと考えるのが人情というモノでしょう。
逆に日本でもバブルに躍った時のイミダスを読んだことがありますが、
日経平均10万円と大真面目に書いていました。
後から考えればおかしいと気付くけど、渦中にいれば見えない。
手を変え、品を変えてバブルが繰り返されるのはこういった現状がずっと続くと無意識に考える人間の心理的要素も大きいと思います。
好ましいことであれ、好ましくないことであれ、人間は現状に引っ張られ、地獄の釜まで引きずり込まれる怖さをこの本を読んで感じました。
完全だと思われたシステムが、あっけなく崩壊する怖さ~マルコム・マクファーソン『墜落!の瞬間』
墜落した飛行機のボイスレコーダーをそのまま採録した本。
機体に何らかの欠陥があったり、バードストライクのようなケースもありますが、ヒューマンファクターによって引き起こされたペルー航空603便墜落事故は色々と考えさせられます。
この事故の原因は、
機体洗浄中にピトー管に貼ったテープを剥がし忘れたという、信じられないケアレスミスが原因でした。
ピトー管とは気圧などから飛行中に速度や高度を割り出すセンサーと考えてください。
ここにテープを貼ってしまったことで
この便はいわば目隠しの状態で飛行する事に等しい状態になりました。
技術は日進月歩です。徐々に安全性が高まっている、これは事実です。
しかしあくまでオペレーションを行なうのは人間ですから、
人間のミスで精密機械が狂うケースもあるということです。
どんなに技術が進んでも完全ではない人間のミスにより大惨事は起こりうる。読んでいてそう考えました。
失敗で挫けてなんていられない~早坂茂三『鈍牛にも角はある』
ただ失敗の本ばかりだと、気が滅入る…そんな方におススメなのは、死ぬほど失敗した人の本を読むことです。
著者の早坂茂三さんは、
は早稲田大学の学生時代に共産党員になって暴れ回って公安に目を付けられたり、
そのことがばれて、もうちょっとで入社できた会社(Y売新聞)を落とされたり、
個人的にお世話になった、大学教授の奥様と駆け落ちして親から勘当されたり、
選挙中に日本全国津々浦々、現金を配って歩いたり、
日本中から悪人呼ばわりされ「親方」田中角栄とロッキード事件を戦ったり…
生前本人曰く「よく今の年まで生きているもんだ」という位失敗のオンパレードと言っていい人生を送ってきた人物。
そんな人言葉だから、とにかく分かりやすく、直截的で、実践的。
特に好きなのは…
世の中嫌な事ばっかりだ。だが長生きするものが最後に勝つ。
長生きしたけりゃ嫌なことは、食って、寝て、忘れろ!
若い時は失敗しろ、責任はちゃんと取って苦労すれば少しは人間は賢くなる
って言葉です。
人間としてもうすぐ33年を迎える私でございますが、
消極性が仇になっているのか、この早坂茂三さんほど「殺される」ような失敗はしているわけではありません。
ただ、すり傷は山ほどこさえました。早坂さんのおっしゃる通りで、
失敗を重ねると、「もうあんな目に遭うのいや」だから、人間利口になるものでございます。
人間は生きてりゃ失敗する。失敗を致命傷にするのも、糧にするのも
本人次第、ということで筆をおきたいと思います。
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