ビッグコミックオリジナルで能條純一さんが連載していた『昭和天皇物語』が作者体調不良のために休載しています。
*投稿者註:投稿当時は休載していましたが、現在は同誌で連載を再開しました。
個人的には、子どもの頃見ていたあのおじいちゃん(失礼)が、

在りし日の昭和天皇、香淳皇后両陛下(宮内庁ホームページより転載)
どんな子どもでどう育ったのか、とか
マンガだと明治や大正の雰囲気がビジュアルで分かるので
今は亡き祖父がこんな時代を生きていたのか、とか想像が膨らんで興味が尽きません。
特に関東大震災の時に関しては未だによく分からないことも多いので、特に気になっています。
能條先生の体調が回復し、また連載を読める日を楽しみにしています。
ところで、気の早い方は、先が気になると思います。
コミックでは香淳皇后との馴れ初めまでしか書かれていませんし、連載でもヨーロッパ旅行の直前まででしたから。
ヨーロッパの旅で、第一次世界大戦の惨状を目にしたり、イギリスのジョージ5世に立憲君主のあり方を説かれたり、関東大震災に摂政として対応したり…と天皇に即位するまででも読みたいところはいっぱいありますから。
もう待てない!という方、活字はいかがでしょうか。
半藤一利『聖断』
例えばマンガ版のネタ元と思われる、半藤一利さんの著作『聖断』です。
この本は、1945年8月15日までの昭和天皇と、
陛下を側で支え続けた鈴木貫太郎総理
そして、陸軍大臣として終戦に尽力した阿南惟幾の関係が丁寧に書かれています。
僕の考えでは、あの終戦はこの3人の阿吽の呼吸のおかげで、「あの程度」で済んだと思っています。
そりゃ、今の人は、「もっと早く戦争をやめていれば…」と思うでしょうが、
それがいかに難しかったか
ホントによく分かります。
と、同時に
「戦争反対」だけ言いつのるだけでは先の戦争の全く教訓を活かせない。
もっと前に時間線を遡り、世界の情勢も交えて理解を深めることで、
「あの当時の日本」の立ち位置を理解する(共感ではなく、そこは距離を置いて)必要があるのではないかと思うんです。
偉そうな事を言っていますが僕自身も昭和53年生まれで、 戦争の記憶は当然ありません。
しかし、同時一部の人しか目にしなかった視点から、いわば「岡目八目」的に俯瞰は出来ます。
その視点はおそらく、リアルに戦争を経験した人には痛みが強すぎて受け入れられないかもしれません。
この本だと、そういった「岡目八目」視点からの日本が見えてきます。
ぜひ、ご一読をオススメします。
ちなみに「ネタバレ」は嫌だな、という方
全然、そんな事ありません、ご安心を!
僕はこの本をすでに読んだ上で、「昭和天皇物語」を読んでいますが、ものすごい新鮮です!
【追記】2018年9月現在、昭和天皇物語の連載は休載中です。
そこで、連載再会を待ちきれない方々にさらに予習用の参考文献を提示したいと思います。
別冊宝島『昭和天皇 秘録』
本当は、昭和天皇記念館の冊子をおすすめするところですが、一般的に入手可能な一冊だったらコレがおススメです。
写真も多く、昭和天皇を支えた宮家の方たちをはじめ、様々な方向から昭和天皇に関して光を当てているところがいいです。
『陛下 お尋ね申し上げます』
↑ご本人の証言で一番確実なのは、これです!
なんと言っても、本人が公にお話になった内容がダブりなく、ほぼ全て採録されています。今出てる「昭和天皇本」で紹介される発言のほとんどは、ほぼここが元ネタだと断言していいくらいです。
映像だったら、『日本のいちばん長い日』をおすすめします。
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